米国の相互関税は「誤った一歩」-欧州委員長が対抗措置の構え示す

Kevin Whitelaw

  • 「関税により、米国は成長を抑制しインフレあおる」と声明で非難
  • バンス副大統領と今週会談―米国との意思疎通ルート探る

欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長は14日、トランプ米大統領が検討している相互関税について「誤った方向への一歩だ」と批判し、導入した場合、EUとして対応する考えを強調した。

  トランプ氏が4月1日までに検討を終えるとしている相互関税について、EUは詳細を分析中だ。同氏はEUの付加価値税(VAT)などを不公平な貿易ルールであるとして、対応する方針を示している。

  フォンデアライエン氏は声明で「合法かつ非差別的な政策に対して関税が使用される場合を含め、自由で公正な貿易を妨げる不当な障壁に対しては、即座に断固とした対応を取る」と述べた。また、「関税は税金だ。関税を課すことで、米国は自国民に課税することになり、ビジネスのコストを上昇させ、成長を抑制し、インフレをあおっている」とも述べた。

  EUは、トランプ政権との意思疎通のルート開拓に苦労している。フォンデアライエン氏は今週初め、パリでバンス副大統領と短時間会談した。セフショビチ欧州委員(通商担当)も、トランプ政権で通商を担う複数のメンバーと電話で会談した。

  トランプ氏は13日、記者団に対し、自動車、半導体、医薬品については、相互関税に「加えて」、後日追加関税も課すつもりだと述べている。

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原題:EU Calls Trump’s Reciprocal Tariffs Plan Step in Wrong Direction(抜粋)

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