5万9574人集結の国立制した首位・鹿島が怒涛6連勝! 鬼木監督は古巣撃破、ACLE準優勝・川崎Fに先制許すも舩橋がプロ初弾、田川が逆転弾
J1リーグは11日に第16節を行った。5万9574人が駆け付けた国立競技場の中で行われた鹿島アントラーズと川崎フロンターレの対戦は、鹿島が2-1で勝利。前半7分に先制されるが、前半アディショナルタイムにMF舩橋佑のプロ初ゴールで同点に追いつく。後半20分には途中出場のFW田川亨介が逆転ゴール。リーグ戦6連勝で首位をキープした。
首位・鹿島はリーグ戦5連勝、そして直近4試合無失点と好調を続ける。前節から先発を3人変え、MF三竿健斗、MF荒木遼太郎、前節に負傷から復帰しているFWレオ・セアラが起用された。サウジアラビアで開催されたACLEを準優勝で終えた川崎Fはリーグ戦に帰還し、15位から浮上を目指す。キャプテンMF脇坂泰斗やACLEで負傷したDF三浦颯太がメンバー外。ACLEで躍動したMF大関友翔が自身2度目のリーグ戦先発となった。[両スタメン&布陣]
鹿島の鬼木達監督にとっては初の古巣対戦。試合直前にはDF丸山祐市が鹿島のベンチまで行き、指揮官と挨拶をかわす。MFマルシーニョもプレー中に鹿島のテクニカルエリア付近で鬼木監督とタッチで挨拶をしていた。
序盤からチャンスを作ったのは川崎Fだった。前半3分、大関のドリブルからパスを受けたFWエリソンが左足シュート。低弾道のボールはゴール右外に外れていった。6分にはMF河原創の浮き球パスに反応したDFファン・ウェルメスケルケン・際がPA右に入るも、相手にクリアされてCKを獲得した。
このセットプレーが先制点につながる。川崎Fは前半7分、右CKをMF山本悠樹が蹴ると、ニアサイドのDF佐々木旭がヘディングシュート。ゴールに流し込み、今季リーグ戦初ゴールで早くも均衡を破った。
5試合ぶりに失点を喫した鹿島だが、その後も川崎Fの攻撃を受ける。自陣まで運ばれてピンチを切り抜け、さらに相手のセットプレーもしのぎ切る時間が続いた。前半27分にレオ・セアラがPA左から左足シュートを放ち、チャンスを作る。2分後にもDF高井幸大のトラップミスからMF鈴木優磨が最前線に浮き球パス。レオ・セアラが飛び出したGK山口瑠伊をかわしてシュートを放つが、高井にコースを塞がれ、ボールは枠外に逸れた。
拮抗状態からスコアを動かしたのは鹿島。前半アディショナルタイム1分過ぎ、GK早川友基からパスを受けた舩橋が反転しながら前につなぐ。荒木がそのままドリブルで運び、敵陣から攻撃を仕掛けていく。敵陣内での混戦を鈴木が折り返すと、PA中央の舩橋が右足で切り返し、大関をかわし切って左足ボレー。相手選手に当たったボールはゴールに吸い込まれ、1-1と試合を振り出しに戻した。
プロ5年目・舩橋のJ初ゴールで同点に追いつき、前半は終了となった。ハーフタイムで鹿島は2枚替え。荒木とMF三竿健斗を下げ、MF松村優太とボランチ起用のFW知念慶を投入。鈴木がトップ下に移動し、松村が左サイドへ。知念は舩橋と2ボランチを組んだ。
一進一退の攻防が続くなか、25度を超える気温で選手に疲労が溜まる。川崎Fは後半11分に大関が足を攣る。一度ピッチに出た後戻るが、直後には途中交代。MF山内日向汰がリーグ戦9試合ぶりに出場した。鹿島も5分後にレオ・セアラがプレー続行不可能に。担架で運ばれ、FW田川亨介が投入された。
交代策が的中したのは鹿島。後半20分、右サイドから鈴木が前線にスルーパスを出す。相手の最終ラインを抜け出した田川がそのままPA右まで独走。左足シュートを冷静に決め切り、2試合ぶりとなる今季2点目で逆転に成功した。後半31分、両チームが動く。川崎FはMF伊藤達哉、マルシーニョ、エリソンを下げ、MF家長昭博、FW神田奏真、FW山田新が入る。鹿島はMFチャヴリッチに代えてMF樋口雄太が入った。さらに33分には同点ゴールを決めた舩橋が下がり、DF津久井佳祐が入った。川崎Fも42分にファン・ウェルメスケルケンを代え、MF橘田健人が出場した。
後半アディショナルタイムは10分となるなか、鹿島は猛攻を仕掛ける川崎Fの攻撃から守り切る。そのまま2-1で試合を終え、リーグ戦6連勝を達成した。 (取材・文 石川祐介)●2025シーズンJリーグ特集▶お笑いコンビ・ヤーレンズのサッカー番組がポッドキャストで配信中