ゴールドマンのノッド氏、ロンドンからミラノへ移住-英税制改革受け

Tom Metcalf、Leonard Kehnscherper

  • 「ノンドム」制度廃止の影響に関する疑問がさらに深まる
  • イタリアは富裕層誘致に注力、英国からの移住先として台頭

ゴールドマン・サックス・グループのリチャード・ノッド氏がロンドンからミラノへ移住する。英国の税制改革の影響に関する疑問をさらに深める動きだ。

  1月に副会長に指名されたノッド氏は、長年ゴールドマンの国際部門を率いていた。ロンドンの金融街シティーの著名人の1人だ。

  ゴールドマンの広報担当者は、ノッド氏は「新たな役職に伴い欧州全域での成長機会に注力する予定だが、ロンドンのチームとの時間も引き続き確保する」と説明した。

  南アフリカ共和国出身のノッド氏(65)は、英国の非永住者向け優遇税制であるいわゆる「ノンドム」制度廃止の影響を避けるために移住すると、シティーAMが先に報じていた。

  2024年序盤以降、エジプトの富豪ナセフ・サウィリス氏を含む海外出身の富裕層が英国を離れている。その背景には、一連の税制改革がある。

  中でも富裕層に最も影響が大きいとされるのが、「ノンドム(英国非永住者)」に対する優遇税制の廃止だ。1799年に導入されたこの制度の下でノンドムは最長15年、海外での収入に対する英国での課税を回避できたが、制度は今月廃止された。。

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  一方、イタリアは近年、富裕層誘致に力を入れており、英国からの移住先として台頭している。

  同国は2017年、年額10万ユーロ(約1600万円)を支払うことを条件に、海外収入に対する課税を15年間免除する制度を導入した。

原題:Goldman’s Gnodde Leaving London for Milan in Latest Non-Dom Exit(抜粋)

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