“燃料不要ロケット”実現へ前進 レーザー光を使った推進技術の実証に東北大学などが成功

研究チームが開発したのは、レーザー光を利用する推進システム。発表や論文では「レーザー推進(laser propulsion)」と呼ばれています。 地上から照射されたパルス状の高出力レーザーを、ロケットに取り付けられた曲面鏡が反射・集光し、空気をプラズマ化。発生した衝撃波が機体を押し上げることで、推進力を得る仕組みです。 従来の化学燃料ロケットでは欠かせない大量の燃料を必要としないため、コストを大幅に抑えられ、宇宙空間への安価なアクセスを実現する可能性があります。

実証実験では全長約15mmの小型ロケットに向けてパルス状にレーザー光を照射し、約0.26秒間、高度約110mmまで飛行させることに成功しました。 物理的なスケールは小さいものの、レーザー光を利用した推進システムの実現に向けた大きな一歩だと述べられており、研究チームは最終的に高度100km以上の宇宙空間に到達することを目指すということです。 参考文献・出典 東北大学 - 燃料不要ロケットの打ち上げ実証に成功 ─ レーザーで推進エネルギーを継続的に供給 ─ Takahashi et al. - Free-flight and tracking experiments of a multi-parabola laser propulsion vehicle (Scientific Reports)

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