テスラの決算が最悪だったにもかかわらず、アナリストたちが夢を抱く理由(海外)(BUSINESS INSIDER JAPAN)
テスラの最新決算は惨憺たる結果となったが、アナリストたちは依然としてテスラへの期待を捨てていない。売上減少や今後の険しい道のりが警告されているにもかかわらず、テスラ強気派はロボタクシー計画に注目している。UBSのアナリストは、「強気派は現在の株価評価を度外視し、壮大な期待を抱き続けるだろう」と述べた。 イーロン・マスク(Elon Musk)率いるテスラ(Tesla)は、ここ10年で最も厳しい四半期を迎えた。だが、依然として壮大な期待を抱き続けているアナリストや投資家もいる。 同社は2025年7月23日、第2四半期の売上高が前年同期比12%減の225億ドル(約3兆3200億円)となったと発表した。 この期待外れの決算を受け、翌24日の市場開始直後の取引でテスラ株は最大9%下落し、1日の下落幅としては3月以来最大となった。 だが、イーロン・マスクCEOはアナリスト向け決算説明会で、テスラがついにロボタクシーサービスをテキサス州オースティンで開始したことを誇らしげに語り、今年末までにアメリカの人口の半数が、この無人ライドシェアサービスを利用できるようになるとの見通しを示した。 とはいえ、関税の影響やEV税控除の終了といった逆風の中、今後は「厳しい数四半期」に直面する可能性があるとも警告した。 株価が下落したにもかかわらず、テスラ強気派の投資家やアナリストはさほど懸念しておらず、AIが1兆ドル規模の経済をもたらすというマスクのビジョンに期待を寄せていることがうかがえる。 Business Insiderが閲覧したブルームバーグのデータによれば、テスラを分析するアナリストの45%が同社株を「買い」と評価し、31%が「中立またはホールド」を推奨、25%弱が「売り」と評価している。 投資銀行UBSのアメリカ自動車アナリスト、ジョセフ・スパック(Joseph Spak)は、「株価とは常に、『将来どうなり得るか』と『今どうであるか』のせめぎ合いだ」と、Business Insiderに宛てたメールで述べている。 「強気派は現在の株価評価を度外視し、AIの進展を示す証拠を探し、壮大な期待を抱き続けるだろう」 ウェドブッシュ証券(Wedbush Securities)のアナリストで長年のテスラ強気派であるダン・アイブズ(Dan Ives)は、7月24日に公開したノートで、テスラが年内に「逆風」や「成長の壁」に直面するとし、慎重な見方を示した。 一方で、マスクが政府効率化局(DOGE)での職務を終えて、1兆ドル規模のロボタクシー市場の一角を勝ち取ろうとしているテスラに、「戦時下のCEO」としてフルタイムで復帰したことは、投資家にとって「最大かつ最良の朗報」だと述べた。 投資会社ディープウォーター・アセット・マネジメント(Deepwater Asset Management)のマネージングパートナーで、テスラ投資家でもある、ジーン・ミュンスター(Gene Munster)は、決算報告の際にオースティンでのロボタクシー展開について、人間の安全監視員の撤廃や、サービスの一般への提供がいつになるのかといった具体的な情報を聞けなかったことに投資家が失望していると、7月23日に投稿したブログで指摘している。 しかし、テスラの次の一手が不明なままだとしても、同社が自動運転競争で勝利する可能性は高いと、ミュンスターは見ている。 この見方には、金融サービス会社キャンター・フィッツジェラルド(Cantor Fitzgerald)のアナリストも同調し、7月25日のノートで、ロボタクシー事業の拡大と、2026年に予定されている人型ロボット「オプティマス」の大量生産を理由に、テスラに対して引き続き強気の姿勢を保っていると記している。
Tom Carter