19歳アントネッリが涙の初優勝。史上最年少ハットトリックも達成。ハミルトン跳ね馬で初表彰台。アロンソ振動でリタイア|F1中国GP決勝

 F1中国GPの決勝レースが行なわれ、アンドレア・キミ・アントネッリがF1初優勝。2位にはジョージ・ラッセルが入り、開幕戦に続きメルセデス勢が1-2フィニッシュを果たした。

 決勝レースはスタート前から波乱含みであった。6番グリッドからスタートする予定だったランド・ノリス(マクラーレン)は、マシンの電気系統にトラブルが発生したため、レコノサンスラップに出ていくことができなかった。

 また16番グリッドのガブリエル・ボルトレト(アウディ)も、レコノサンスラップを終えてグリッドにマシンを並べたものの、トラブルが発生したようでガレージに押し戻されてしまった。

 さらにはオスカー・ピアストリ(マクラーレン)のマシンにもスタート直前にトラブルが発生。やはりガレージにマシンが押し戻されてしまった。

 ウイリアムズのアレクサンダー・アルボンは、予選〜決勝レースの間にサスペンションのセッティングを変更したため、ピットレーンからのスタートを選んだ。

 なおスタート前のセレモニーには、今季からのF1とディズニーのコラボレーションの一環として、ミッキーマウスとミニーマウスが登場。グリッドキッズたちとハイタッチした。F1のステファノ・ドメニカリCEOもミッキーマウスの手を模ったグローブをはめて、グリッドキッズとハイタッチした。

 気温16度、路面温度24度というコンディションでスタート時刻を迎えた。各車が履くタイヤの選択は、ソフト(3台)、ミディアム(10台)、ハード(9台)と大きく分かれた。ただ上位4台は揃ってミディアムタイヤを選んだ。

 最終的に18台がスターティンググリッドに並び、レーススタート。トラブルが発生した3台とアルボンのマシンは結局スタートできず。18台でのレースの火蓋が切って落とされた。

 やはり抜群のスタートを見せたのはフェラーリ勢。ルイス・ハミルトンが3番グリッドから一気に首位に立ち、シャルル・ルクレールもこれに続いて2番手に上がろうとした。しかし最年少ポールポジションを獲得したアンドレア・キミ・アントネッリも負けじとオーバーテイク。2番手をキープした。

 なお1周目のターン13では、アイザック・ハジャー(レッドブル)がスピンしコースオフ。タイヤを壊してしまいピットインを強いられた。またハジャーのチームメイトであるマックス・フェルスタッペンもスタートを大失敗し、大きくポジションを落とした。

 フェラーリ勢はスタートでこそ見せ場を作ったものの、レースペースが圧倒的に優れているのがメルセデス勢。2周目にはアントネッリがハミルトンを抜いて首位に返り咲き、ジョージ・ラッセルもルクレールを抜いて3番手に上がった。また3周目にはラッセルがハミルトンをも抜き、メルセデス勢が早々に1-2体制を築いた。

 またフェラーリ勢3-4番手に続く位置につけたのはアルピーヌ勢で、ピエール・ガスリー5番手、フランコ・コラピント6番手と好位置を走った。

 レースが動き始めたのは9周を走り終えた段階。8番手を走っていたリアム・ローソン(レーシングブルズ)と10番手を走っていたマックス・フェルスタッペン(レッドブル)らがピットイン。いち早くタイヤを変えた。

 ただその直後、アストンマーティン・ホンダのランス・ストロールがターン2のアウト側でストップ。セーフティカーが出動した。

 このタイミングで各車がピットイン。ただハードタイヤでスタートしたマシンはステイアウトを選択し、ミディアムからハードへの履き替えを完了したアントネッリが首位をキープしたものの、コラピントが2番手、ハースのエステバン・オコンが3番手に上がった。

 なおストロールのマシンは、コーナリング中に突如電源が失われたようにストップ。その直前まで「オーバーテイクモードが使えるよ」という無線交信をしていたので、本当に突然のトラブル発生だったようだ。

 14周目からレース再開。オコンはコラピントに激しく攻撃を仕掛ける中、ハミルトンもラッセルをオーバーテイク。その後ハミルトンは、オコンとコラピントを難なく交わし、首位アントネッリを追いかけた。

 ラッセルはペースが上がらず、チームに無線で「グリップがないよ!」と悲痛な訴え。そしてルクレールにもオーバーテイクを許してしまう。

 ただメルセデスが苦しんでいたのは、タイヤのウォームアップだった模様。次第にペースを回復し、アントネッリは一時ハミルトンに0.7秒差まで迫られたものの、再び差を開いていった。またラッセルも、ルクレールとの差を縮めていった。

 その後方の争いに目を転じると、アルピーヌとハース勢、そしてフェルスタッペンの5台による大バトルが展開された。まだタイヤを交換していないコラピントは必死の防戦で後続を抑える。ただ交換したタイヤは優れたバフォーマンスを発揮し、ベアマンとフェルスタッペンはコラピントをオーバーテイクした。しかしコラピントは、素晴らしい抵抗を見せた。

 24周目、ルクレールがハミルトンを捉えて2番手に浮上。しかしハミルトンも簡単には諦めず、続く25周目のターン1でアウト側からルクレールに仕掛け返す。ここで順位は入れ替わらなかったが、後方からはラッセルが急接近し、逆にアントネッリは5秒程度のリードを築く展開となった。

 その後もフェラーリ勢は、抜きつ抜かれつの大バトルを展開。まるでチームメイト同士であることを忘れているようだ。このバトルを後方で見ていたラッセルは、1台、また1台とオーバーテイク。メルセデス1-2体制を復活させた。

 コラピントは32周を走ったところでピットイン。そしてコースに復帰したところで、先にタイヤ交換を済ませていたオコンと横並びになり、両者接触。オコンは「自分のミス」と無線で認め、後に10秒のタイム加算ペナルティが科された。

 35周目のターン14で、ルクレールがミス。この隙を突いて、ハミルトンがまたも3番手に浮上する。これでラッセルとは5秒の差に開いた。その後もフェラーリ勢の2台はチーム内バトルを繰り広げ、メルセデス勢との差はどんどん開いていくことになった。

 5番手を争い、前を行くベアマンを追いかけていたフェルスタッペンは、45周目にマシントラブルが発生。ガクリとペースを落とし、そのままピットへ……リタイアとなった。

 アントネッリはラッセルの接近を許さず、10秒近い差を築いて最終盤へ。53周目ターン14のブレーキングでロックアップし、オーバーランしてしまうシーンもあったが、それはご愛嬌。結局チームメイトのラッセルに5.5秒の差をつけてトップチェッカーを受けた。

 アントネッリの勝利は、史上2番目の若さ。ポールポジション、優勝、そしてファステストラップのハットトリックは、史上最年少記録(19歳6ヵ月18日)だ。またイタリア人のF1優勝は、2006年のジャンカルロ・フィジケラ(ルノー/マレーシアGP)以来である。レースを終えてインタビューに応じたアントネッリは、「夢が叶った」と涙ながらに語った。

 2位にはラッセル、3位にはハミルトンが入った。ハミルトンはフェラーリ移籍後初の表彰台。昨年は見られなかった満面の笑みを浮かべた。ルクレールが4位だった。

 5位はハースのベアマン。最後ガスリーに2秒差まで迫られたが、なんとか凌ぎ切ってビックポイントを持ち帰った。アルピーヌはコラピントも10位に入っており、ダブル入賞を達成した。今季苦しい戦いを強いられているウイリアムズのカルロス・サインツJr.が乱戦を戦い抜き9位に入った。

 アストンマーティン・ホンダのフェルナンド・アロンソは、今回も好スタートを決めて10番手まで浮上してみせた。その後のペースは上がらず、終始キャデラック勢とのバトルを繰り広げた。しかし32周目を走り終えたところでリタイア。振動による不快感が原因だったとチームは発表している。

 次戦は2週間後、鈴鹿サーキットでの日本GPである。

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