トランプ大統領、シェブロンのベネズエラ操業ライセンス取り消しへ

  • マドゥロ政権への圧力強める、選挙体制と移民帰国の遅れを指摘
  • ベネズエラ原油の供給途絶、米国内エネルギー価格押し上げる可能性

トランプ米大統領は米石油大手シェブロンにベネズエラでの操業を認めたライセンスを取り消す計画だと述べた。停滞するベネズエラ経済に壊滅的な打撃を与える可能性がある。

  トランプ氏が言及したのは、2022年11月に合意が成立したマドゥロ政権への制裁緩和措置。同じ日にシェブロンは制裁下にあるベネズエラでの石油生産・販売を認められた。ライセンスの条件では、シェブロンにはベネズエラ撤退まで6カ月の準備期間が与えられるとされていた。

  トランプ氏は「石油取引合意に関し、ひねくれ者ジョー・バイデンがベネズエラのニコラス・マドゥロに与えた譲歩をわれわれは今、反転させる」とソーシャルメディアに投稿。ベネズエラの選挙環境に改善が見られず、米国からの移民受け入れが約束より遅れていることを挙げた。

ベネズエラ、エルティグレに設置されたベネズエラ国営石油会社の石油掘削装置。シェブロンはオリノコ河川地帯で重質原油を採掘する

  今回の決定は選挙結果を受け入れず大統領再任を強行したマドゥロ氏と反政府勢力への弾圧を踏まえ、米国が対ベネズエラ規制を強化したことを意味する。同国のメガナリシスがまとめた世論調査によれば、80%近い市民が1月のマドゥロ大統領就任を受けて不満と失望を表明した。トランプ氏はベネズエラにとって最も痛い場所、つまり経済を攻撃すると公言している。

  ベネズエラからの石油輸入は米国にとり、トランプ大統領が公約したカナダとメキシコ産原油に課す関税の影響緩和につながるとみられている。カナダ産原油への関税が直ちに発動されなくても、ベネズエラからの供給が途絶えることは米国内のエネルギーコストを押し上げる可能性があり、インフレを抑制し燃料価格を引き下げるとしたトランプ氏の公約に反する。

原題:Trump to End Chevron License in Venezuela in Blow to Maduro (2)(抜粋)

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