【25年J2「第26節」水戸VS磐田「徹底分析」】磐田、秀逸なランと絶妙なパスで先制点 新加入ブラジル人MFが大活躍(1)
【J2リーグ第26節 8月16日 18時03分キックオフ 水戸 1ー3 磐田 ケーズデンキスタジアム水戸】 ■【動画】秀逸なランニングと絶妙なパス、磐田MFグスタボ・シルバが決めた先制点 踏みとどまった。 J2リーグ第26節が8月16、17日に開催され、8位のジュビロ磐田は首位の水戸ホーリーホックとのアウェイゲームに挑んだ。水戸の勝点は「51」で、磐田は「38」である。磐田はこの試合を落とすと、水戸との勝点差が「13」から「16」に拡がる。残り12試合で、試合数よりも多い勝点差を詰めるのは、かなり厳しいと言わざるを得ない。J1自動昇格圏は上位2チームであり、水戸に追いつくことがマストではないものの、磐田にとっては絶対に落とせない一戦である。 磐田のジョン・ハッチンソン監督は、前節からスタメンを7人入れ替えた。リーグ戦再開後はブラウブリッツ秋田に1対4、いわきFCに1対3と連敗を喫しており、GKはほぼ3か月ぶりの出場となる三浦龍輝で、新加入のMF井上潮音とMFグスタボ・シルバが、初めてスタメンに名を連ねた。 キックオフから開始30数秒で、磐田はいきなり大ピンチを迎える。水戸の右SB飯田貴敬に左サイド深くまで走られ、中央へクロスを入れられる。ゴール前へ走り込んできたFW渡邉新太にニアサイドで合わせられるが、CBリカルド・グラッサがギリギリのところでブロックした。 3試合ぶりのスタメン出場となったリカルド・グラッサは、その後も試合の流れを決定づける場面で攻守に関わっていくことになる。
開始早々のピンチをしのいだ磐田は、8分にスコアを動かす。 自陣センターサークル付近でパスを受けたリカルド・グラッサが、ピッチ中央から左斜めへランニングするグスタボ・シルバへ縦パスを通す。その直前に1トップの佐藤凌我が左前へ落ちたことで、相手の右CBもついてきていた。それによって生まれたスペースへ、グルタボ・シルバが走り込んだのだった。 グスタボ・シルバはペナルティエリア内左でボールを受け、ヘディングで押し出して相手GKと入れ替わる。無人のゴールへボールを蹴り込み、磐田が先制点をあげたのだった。 夏のウインドーで加入したグスタボ・シルバは、この日が3試合目の出場で、スタメンは初めてだった。水戸からすると情報が十分でなく、特徴をつかみきれていなかったところはあっただろう。 この場面でもうひとつ触れるべきは、左ウイングの倍井謙だ。磐田陣内でマイボールになった瞬間に、DFラインの背後を狙ってランニングしている。その動きを見た水戸の右MF加藤千尋が、倍井を追いかけて自陣へ戻った。その直後に、リカルド・グラッサへパスが入っている。 このブラジル人CBがパスセンスに優れるのは、どのチームも分かっているはずだ。アシスト数は少ないものの、攻撃の糸口や崩しにつながるパスは多い。倍井のランニングに対応したことで加藤が間合いを詰め切れず、リカルド・グラッサはフリーでパスを出すことができたのである。
戸塚啓