海外組と完封果たした早川友基「全部やってくれていた」昨年6月以来の共演となった佐野海舟に感嘆

 海外組も交えた日本代表では初出場となったガーナ戦から一夜、GK早川友基(鹿島)は一つずつ重ねる経験を成長に繋げていく姿勢を示すとともに、昨年6月以来の共演となったMF佐野海舟の凄みを改めて感じていた。  早川は国内組で構成された今夏のEAFF E-1選手権でA代表デビューを飾り、以降は海外組を含む活動にも継続して選出されてきた。E-1以降は出場機会を得られていなかったものの、GK鈴木彩艶とGK大迫敬介が揃って不参加となった今回の活動初戦で満を持しての先発入り。DF渡辺剛(フェイエノールト)、DF谷口彰悟(シントトロイデン)、DF鈴木淳之介(コペンハーゲン)の海外組3バックらとともにガーナ攻撃陣と対峙し、2-0の完封勝利を果たした。  一つの連係ミスが命取りとなる守備陣において3バックに入った面々とプレーするのは初めてだったが、「全然問題なく。長く(一緒に)やっていたかのようなすごい頼もしい先輩たちだった」。早川は3バックの中央に入った経験豊富な谷口を筆頭に感謝を述べ、「なるべく前で潰すことはできた。相手に足が速い選手がいたので、背後のカバーは自分が入るというリスク管理の部分は終始できていた」と総括する。フィールド組が集中を切らさず戦ったことで決定的なシュートを受ける場面は限られたものの、最終ラインの背後を狙ってくるロングボールに対しては早川が安定した飛び出しで対応。守備陣で連係を取りながらの無失点に手応えを示した。  そして早川は「あとは海舟が全部やってくれていたので言うことはないですね」とまとめる。鹿島からマインツへ移籍した佐野とは、移籍前最終戦となった昨年6月30日のJ1リーグ以来の共演。佐野は持ち前のボール奪取と推進力で1点目をアシストすると、試合を通じても強度の高いプレスやインターセプトで存分に強みを発揮して中盤に包囲網を作っていた。 「Jリーグでやっていてもズバ抜けていたけれど、ヨーロッパでも今では圧倒的。アフリカや南米の選手にも全然負けないし、むしろ勝ってしまう。マイボールにして刈り取ってしまうのは普通の選手ではできないので本当にすごいなと」  久々に同じピッチでプレーした仲間の凄みを改めて実感した早川は、そうした国際Aマッチの経験を自身の成長に繋げていく考えだ。 「こういった(海外組を含む)代表で試合に出たのは初めて。後ろの選手は特にそうだと思うしJリーグでも変わらないと思うけど、試合に出て経験して相手のレベルだったりを感じてこそ得られるもの、やれるプレーは増えてくると思う。自分も一個ずつ成長していきたいなと思います」  試合後に反省点として挙げていた配球面も言及した。鹿島ではビルドアップ時にリターンを受けることが多い一方、ガーナ戦は最終ラインからの戻しを受ける回数が少なく、3バックが前へつけていく意識を感じたという。そうしたスピード感や戦い方について「慣れかなと思う」と早川。ビルドアップの関わり方で練度を高めることに意欲を見せ、キックの質だけでなくロングボールの選択や出しどころといった判断力も高めていくことを誓った。 (取材・文 加藤直岐)●2026ワールドカップ(W杯)北中米大会特集▶日本代表の最新情報はポッドキャストでも配信中

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