QPS研究所の小型SAR衛星「ワダツミ-I」早ければ5月17日に打ち上げへ
日本企業の株式会社QPS研究所は2025年5月6日、同社の小型SAR(合成開口レーダー)衛星「QPS-SAR 10号機」、愛称「ワダツミ-I」の打ち上げ予定日時を発表しました。
同社によると、ワダツミ-Iは日本時間2025年5月17日(土)17時15分以降に、アメリカ企業Rocket Lab(ロケットラボ)の「Electron(エレクトロン)」ロケットで打ち上げられる予定です。
Rocket LabがQPS研究所の人工衛星を打ち上げるのは、ワダツミ-Iが3回目です。直近では、2025年3月に「QPS-SAR 9号機(スサノオ-I)」の打ち上げに成功しています。
QPS研究所は地球上の任意の地点を平均10分間隔の“ほぼリアルタイム”で観測することを目指しており、12の軌道に3機ずつ・合計36機の小型SAR衛星で構成された衛星コンステレーション(※)の構築を進めています。
※…地球観測や通信サービス提供などを連携して行うための人工衛星群のこと。
QPS-SARシリーズはその役割や投入される軌道によって愛称が異なります。技術実証機だった1号機と2号機はそれぞれ「イザナギ」「イザナミ」と命名されましたが、3号機以降の商用機は軌道ごとに「アマテル」「ツクヨミ」「スサノオ」と命名されてきました。
今回打ち上げられる10号機はまた新たな軌道に投入されるため、日本神話の「海上守護や交通安全などを司る重要な神様」(QPS研究所のプレスリリースより)から「ワダツミ」と命名したということです。
また、Rocket LabのQPS-SAR 10号機打ち上げミッションの名称も、衛星の愛称にちなんで「The Sea God Sees」と命名されています。
関連画像・映像
【▲ QPS研究所の小型SAR衛星「QPS-SAR」のCGイメージと10号機「ワダツミ-I」のミッションマーク(Credit: QPS研究所)】 【▲ Rocket LabによるQPS-SAR 10号機「ワダツミ-I」打ち上げミッション「The Sea God Sees」のミッションパッチ(Credit: Rocket Lab)】文/ソラノサキ 編集/sorae編集部