「宇宙からドローンを遠隔充電する装置」中国が開発中(ギズモード・ジャパン)

その進捗が、このほど明らかになりました。中国の国営ニュースサイトによると、西安電子科技大学の研究チームは、試作の太陽光発電プラットフォームから、時速30kmで飛行するドローンに対して、30m離れた距離から143Wの安定した電力を供給することに成功したということです。 また、静止した目標への無線送電ではさらに良好な結果が得られたと、国営ニュースサイトは伝えています。「最近のテストでは、直流から直流への無線送電効率が100mの距離で20.8%を達成し、1,180Wの電力を供給した」とのことです。 研究チームは、このプロジェクトに幅広い民間および軍事応用を見込んでいるとのことです。 同チームは数年にわたり、中国北西部の陝西(せんせい)省でエッフェル塔のような骨組みに試作の軌道太陽光発電プラントを吊り下げてきました。2022年に西安電子科技大学が説明したところによると、将来的には遠隔地での災害救助はもちろん、軍の緊急レーダーや成層圏飛行体、ドローン群への電力供給も視野に入れているとのことです。

研究プロジェクトのリーダーで、西安電子科技大学機電工学部の教授Duan Baoyan氏は、単一の送信機から複数の移動目標に同時に電力を供給するという技術的な課題をチームがついに解決したと述べています。 Duan氏はさらに、宇宙太陽光発電ステーションが将来的には、複数の衛星と地上車両のすべてに対して、一度に電力を供給できるようになることを期待していると述べたとチャイナ・デイリーは伝えています。 チームは2022年からテストをしていて、当時のテストではプラットフォームとドローンなどの移動目標との間の直流から直流への送電効率は15.05%でした。 大出力マイクロ波アンテナから放たれた無線エネルギーは、チームが独自に開発した受信アンテナシステムによって88%という高い効率で受信できるようになったとのことです。チームはまた、このアンテナをより小型・軽量化する取り組みも進めていて、宇宙への展開に向けた経済的な実現可能性も高まっています。 Duan氏によると、次の大きなステップは、いよいよ軌道上でのテストなんだそうです。


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もちろん、宇宙太陽光発電の実現を狙っているのは、中国だけではありません。カリフォルニア工科大学の研究者たちはすでに、2023年に「宇宙太陽光発電実証機1号」に搭載した独自の技術、無線送電用フェーズドアレイ「MAPLE」の試作機で成功を収めています。 そしてもちろん、近代電気工学の父とも呼ばれるニコラ・テスラは、1899年にコロラドスプリングスの研究所で無線送電の基本的な実現可能性をすでに実証しています。とはいえ、当時の資金提供者J・P・モルガンやジョージ・ウェスティングハウスといったアメリカ産業界の実力者たちは、「これは儲からない」「将来性がない」と判断して支援をやめてしまったのです。もったいなかったですね。 とはいえ、今回のチームにとっても実用化への道はけっして平坦ではありませんでした。 科学研究、特に私たちのようなエンジニアリングプロジェクトには、実地経験、実際の操作、そして繰り返しの現地訪問が不可欠です。 このようにBaoyan氏は2022年の声明で説明しています。チームは地上検証システムの構築に3年を費やし、200kgのマイクロ波アンテナなどの機器を陝西省各地に運び回る作業なども完了しました。 研究チームの一員、Zhang Yiqun教授は「計算シミュレーションや設置、デバッグといった作業は、現場で直面する問題に比べれば、たいしたことではありません。研究をしているという実感さえなくなることがあります」と苦労を述べています。

岩田リョウコ

ギズモード・ジャパン
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