米入国審査、携帯電話調べられる可能性-カナダ政府が国民に警告
Randy Thanthong-Knight
- 米国の国境で「厳格な審査」想定する必要-カナダ政府の渡航情報
- 英独仏も同様の情報発信-トランプ政権の国境・移民政策強化に対応
カナダ政府は米国に入国する国民に向け新たな警告を発表した。米国との国境で「厳格な審査」を想定する必要があり、携帯電話などの電子機器が調べられる可能性があるとしている。
トランプ米大統領が国境・移民政策の強化したことを受け、渡航情報が更新された。既に英国やドイツ、フランスなども同様の情報を発信している。
「経済力」を駆使してカナダを併合すると威嚇するトランプ氏の発言を受け、カナダ人の米国旅行は急減。米旅行協会によると、昨年のカナダ人の消費額は205億ドル(約3兆円)と、外国人旅行者でトップだったが、カナダ居住者による自動車での米国旅行件数は今年2月に前年同月比23%減少したとカナダ統計局は発表した。
カナダ政府の新たな渡航情報には「国境当局者との全てのやりとりで、指示に従い、進んで情報提供する必要がある。入国を拒否された場合、強制送還されるまで身柄を拘束される可能性がある」と記載された。
カナダ放送協会(CBC)によれば、3月には就労ビザ(査証)の更新を試みたカナダ人俳優が、米・メキシコ国境で米当局に身柄を11日間拘束された。
また、フランスの科学者は同月、米国への入国を拒否された。仏政府はトランプ氏を批判する携帯電話のメッセージが関係していたと主張。しかし、米政府はこれを否定し、科学者が米国の研究所からの機密情報を含む電子機器を所持していたと説明した。
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