最も高かったのは!? Jリーグ、今冬の移籍金ランキング1~9位。新天地に移った注目の男たち

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 明治安田Jリーグの2025シーズンが、2月14日のガンバ大阪vsセレッソ大阪戦で幕を開ける。各クラブは今オフにそれぞれ戦力補強を敢行したが、最も高額な移籍金を記録したのは誰なのだろうか。今回は、データサイト『transfermarkt』が算出したJリーグクラブの今冬の移籍金ランキングを紹介する。※金額が並んだ場合の順位はサイトに準拠

9位:アフメド・アフメドフ

【写真:Getty Images】

生年月日:1995年3月4日 移籍先:スパルタク・ヴァルナ(ブルガリア)→清水エスパルス 移籍日:2025年1月20日

移籍金:25万ユーロ(約4000万円)

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 今冬の移籍金ランキングで9位となったのは、現役のブルガリア代表選手であるアフメド・アフメドフだ。3年ぶりのJ1挑戦となる清水エスパルスに移籍金25万ユーロ(約4000万円)で加入した男は、どのようなキャリアを歩んできたのだろうか。

 2014年8月に母国ブルガリアのPFCブルガスでプロキャリアをスタートさせたアフメドフは、ブルガリア国内の複数クラブを渡り歩くなかで地道に実力を高めていった。2021年2月にはアゼルバイジャンの名門クラブであるネフチ・バクーに期限付き移籍で加入。当時、クラブに在籍していた元日本代表の本田圭佑とも共にプレーした。

 活躍の場は代表チームにも広がっている。UEFAネーションズリーグ2024/25では、2024年9月5日に行われたベラルーシ代表戦で83分から途中出場してブルガリア代表デビュー。同大会では4試合の出場でいまだゴールは決められていないものの、29歳の遅咲きストライカーは現在進行形で着実に代表チームでの地位を築きつつある。

 清水加入時の移籍金は、世界の市場と比較してみるとかなり安い部類に入る。だが、それはアフメドフの実力が低いという意味には必ずしも直結しない。

 184cmの左利きゴールハンターは、高さを生かした空中戦のみならず推進力ある突破や味方との連係も得意としており、“裏抜け”の技術も高い。つまり、ポゼッションとドリブルを駆使して相手守備のバランスを崩す清水の攻撃的なスタイルにバッチリはまる選手なのだ。

 様々な角度から良質なパスが送り込まれる環境下で、アフメドフは移籍金以上のインパクトを残すかもしれない。


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【写真:Getty Images】

 今冬の移籍金ランキングで8位にランクインしたのは、セレッソ大阪に移籍金49万ユーロ(約7800万円)で加入したチアゴ・アンドラーデだ。

 2021年1月に母国ブラジルのバイーアでプロデビューを果たしたアンドラーデは、同年4月にニューヨーク・シティ(アメリカ合衆国)へと完全移籍。20歳で国外初挑戦に踏み切った。

 同クラブのスポーツディレクターであるデイビッド・リー氏は「彼はまだ非常に若く、サッカー選手として成長し続ける必要がある」としながらも「潜在能力は非常に高い」と若きアタッカーを高く評価(クラブ公式サイト『New York City FC』)。アンドラーデは在籍期間中に2度の期限付き移籍を経験しつつ、公式戦通算71試合で12得点5アシストをマークした。

 スピードとテクニックを兼ね備えたアンドラーデの主戦場はウイング(WG)。C大阪では基本的に左WGを任されるだろう。状況に応じて右サイドやセンターフォワードでもプレー可能なため、アーサー・パパス新監督に戦術的な選択肢を提供できるはずだ。

 C大阪が獲得オペレーションで支払った移籍金を踏まえると、アンドラーデはコンスタントに得点やアシストを記録することが求められる。若くして海外のクラブで過ごした過去の経験は、初のJリーグの舞台でも活きてくるはず。

 まずはリーグ開幕後、24歳のブラジル人ウインガ―が新天地で桜の花を咲かせるかどうか注目してみよう。


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【写真:Getty Images】

 今冬の移籍金ランキングで7位にランクインしたのは、アビスパ福岡のシャハブ・ザヘディ。2024シーズンに期限付き移籍で福岡にやって来た男は、晴れて完全移籍でチームに加入。2025シーズンは昨季以上の活躍が期待される。

 ザヘディが日本行きを選択してJリーグ初のイラン人選手となった背景には、ロシアによるウクライナ侵攻の影響があった。国際サッカー連盟(FIFA)の特別措置により保有元のゾリャ・ルハンシク(ウクライナ)との契約が一時停止されたため、ザヘディの福岡加入が実現。当時28歳のザヘディは様々なものを背負ってJリーグ参戦を果たしたのだった。

 2024年3月30日に行われたJ1リーグ第5節の浦和レッズ戦で来日後初ゴールを挙げると、ザヘディはその後も抜群の決定力を披露。第11節のガンバ大阪戦では65メートルを超えるロングシュートでゴールネットを揺らしてみせた。最終的にリーグ戦では31試合で9得点2アシスト。加入初年度としては合格点を付けられるような成績を残した。

 完全移籍での獲得にあたって、福岡が支出した移籍金は50万ユーロ(約8000万円)。クラブの財政規模を踏まえると決して安い額ではないが、すでに実力証明済みの点取り屋を確保できるのならば支払わない手はない。

 ザヘディには昨季を超える2桁得点の期待が懸かっているものの、十分に実現可能な目標と言えるだろう。規格外の大型ストライカーは、自身にかけられた移籍金以上のインパクトを残す予感を色濃く漂わせている。


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【写真:Getty Images】

 今冬の移籍金ランキングで6位となったのは、ガンバ大阪に移籍金55万ユーロ(約8800万円)で加入した奥抜侃志だ。2年半ぶりにJリーグへと復帰する25歳のドリブラーは、G大阪にタイトルをもたらすような活躍を期待されている。

 大宮アルディージャの下部組織で育成を受けた奥抜は、2018シーズンにトップチーム昇格を果たす。デビューの瞬間は、2018年4月22日に行われたJ2リーグ第10節のアルビレックス新潟戦。左サイドハーフの位置で先発した奥抜は切れ味鋭いドリブル突破でチャンスを演出し、70分まで好プレーを披露し続けた。

 2022年8月、奥抜はグールニク・ザブジェ(ポーランド)へと期限付き移籍。約11年間過ごした大宮を離れ、欧州挑戦に臨んだ。さらに2023年7月には、ニュルンベルク(ドイツ)へと完全移籍。在籍1年半で公式戦通算39試合に出場して5得点4アシストを記録するも、2. ブンデスリーガ(ドイツ2部リーグ)では2024年9月を最後に試合出場から遠ざかっている。

 選手としてプレーする喜びから遠ざかってしまった奥抜にとって、G大阪加入は現状を打破するまたとないチャンスだ。大宮時代の戦いの舞台はJ2だったためJ1でのプレーは今回が初めてではあるものの、ポーランドやドイツで十分に通用したドリブル技術はG大阪に多くのものをもたらすはずである。

 決して安くない移籍金が重荷となるかもしれないが、実力を踏まえれば奥抜がJ1の舞台で躍動する可能性の方が高そうに思える。


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 今冬の移籍金ランキングで5位となったのは、名古屋グランパスに移籍金85万ユーロ(約1.4億円)で加入したシュミット・ダニエルだ。

 197cmの長身を活かしたゴールキーパーとして日本代表としても活躍したシュミットだが、中学3年生までは守備的ミッドフィルダーとしてプレーしていた。この経験が足元の技術を高めることにつながったのは容易に想像がつくだろう。

 2014シーズンにベガルタ仙台へと入団したシュミットは、三度に渡る期限付き移籍で地道に実力を高めると、仙台で公式戦通算68試合に出場。2019年7月にはシント・トロイデン(ベルギー)へと完全移籍し、“杜の都”を離れて欧州初挑戦に乗り出した。

 シント・トロイデンではジュピラー・プロ・リーグ(ベルギー1部リーグ)100試合出場を達成するなど成功を手にするも、その後はメス(フランス)移籍の破談、鈴木彩艶の加入による出場機会喪失といった逆風も経験。契約解除の後にフリー移籍で加入したヘント(ベルギー)でも、在籍1年で公式戦通算15試合の出場にとどまるなど苦しい時期を過ごした。

 今オフに名古屋へと完全移籍して再出発をはかったシュミットだが、ベルギー時代から続く負の連鎖はいまだ続いている。加入直後の1月27日に右膝内側半月板を損傷し、無念の戦線離脱。全治は明かされておらず、33歳の新天地挑戦はいきなり暗礁に乗り上げた形だ。

 ランキングトップ5位に入るほどの移籍金がかかっているだけに、選手はもちろん、クラブ関係者も1日でも早い復帰を願っているだろう。


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【写真:Getty Images】

 今冬の移籍金ランキングで4位にランクインしたのは、FC東京のエヴェルトン・ガウディーノだ。2024シーズンにグレミオ(ブラジル)から期限付き移籍でやって来た男の契約は、2025シーズンに完全移籍へと移行した。また、完全移籍に際しては、これまでにランクインした選手たちを大きく上回る140万ユーロ(約2.2億円)もの移籍金が動いている。

 ガウディーノがJリーグ挑戦を始めたのは、2024年8月のことだった。攻撃的なポジションならどこでもプレーできる左利きのブラジル人は、同月24日に行われたJ1リーグ第28節の京都サンガF.C.戦で69分からピッチに登場。来日後初出場を果たした。

 最終的に、ガウディーノはリーグ戦5試合でプレー。右ウイングの位置で攻撃的センスの片鱗を披露するも、得点やアシストは付かなかった。それでも今季、FC東京は27歳のアタッカーを完全移籍で迎え入れることになる。決して大きなインパクトを残したとは言えないガウディーノに対して大金を使ったことになるわけだが、これには期限付き移籍時の契約内容が関係している。

 2024年12月12日、グレミオ専門メディア『Portal do Gremista』は「ガウディーノの契約には150万ドル(約2.3億円)の買い取り義務が盛り込まれている」と報道。データサイト『transfermarkt』が公開している完全移籍時の移籍金と額がほぼ符合している。

 果たして、ガウディーノは2億円超えの移籍金を支払うべきレベルの選手なのか。その答えが間もなく出ようとしている。


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【写真:Getty Images】

 今冬の移籍金ランキングも、いよいよトップ3に突入する。3位となったのは、今オフにクルゼイロ(ブラジル)から京都サンガF.C.へと完全移籍したラファエル・エリアスだ。2024シーズンに期限付き移籍した京都で圧倒的な成績を収めたブラジル人ストライカーは、2025シーズンに移籍金140万ユーロ(約2.2億円)でチームに加わることになった。

 昨季、エリアスはJリーグで大きな衝撃を残した。2024年7月に日本行きを選択すると、同月20日に行われたJ1リーグ第24節のジュビロ磐田戦で来日後初ゴールをマーク。これを皮切りにエリアスは爆発的な得点力を発揮し、加入後の8試合で9得点を荒稼ぎしてみせた。

 最終的にリーグ戦では15試合で11得点1アシスト。加入時J1残留争いの渦中にあった京都を安全圏まで引き上げ、一躍救世主となった。

 実力証明済みのエースを確保できるのであれば、高額な移籍金の支払いは今季以降の投資として十分に許容できる。京都は2億円超えの移籍金と引き換えに、高確率でゴールを約束してくれる男の引き留めに成功した。

 エリアスも日本の水が合ったのか「私を支えてくれている家族共々、京都で生活を続けられることに幸せを感じています」と京都残留の満足感を語っている(2024年12月28日公開/クラブ公式サイト『京都サンガF.C.|オフィシャルサイト』より)。

 エリアスは抜群の決定力に加え、最初のディフェンダーとして最前線から守備を惜しまない献身性も兼ね備えている。ゴール以外でもチームに貢献できる25歳の“強力助っ人”は、京都をかつてない高みに連れて行くかもしれない。

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