中国政府系ハッカーの米財務省攻撃、400超えるPCに侵入-報告書
- 制裁措置・インテリジェンス担当者のPCを特に攻撃-米財務省
- 資料を盗んだ公算大-機密システムには侵入していないもよう
中国政府の支援を受けたハッカー集団が米財務省を攻撃したとされる問題を巡り、400台余りのラップトップやデスクトップのパソコン(PC)が侵入を受けていたことが明らかになった。
制裁措置や国際問題、インテリジェンスを担当する幹部・スタッフのPCが特に攻撃されていたという。同省が連邦議会に送付した15日付の報告書をブルームバーグ・ニュースが確認した。
この報告書によると、ハッカー集団は、機密扱いではないPC上で職員のユーザー名やパスワード、3000を超えるファイルにアクセス。政策・出張に関連する書類や組織図、制裁・外国投資に関する資料、「法執行上センシティブ」とされたデータなどが対象だったという。
ハッカー集団は資料を盗んだ可能性が高い一方、同省の機密システムや電子メールシステムには侵入していないとみられる。ただ、対米投資や一部の米不動産購入が国家安全保障に及ぼす影響を審査する対米外国投資委員会(CFIUS)が行った調査に関する資料へのアクセスはあったという。
ハッカー集団が財務省のシステムに長期にわたり潜伏し機密情報の収集を試みた形跡はないと同報告書は説明。また侵入されたデバイスにマルウエア(悪意のあるソフト)が埋め込まれた形跡もないとしている。
財務省のヘイデン報道官は15日、コメントを控えた。連邦捜査局(FBI)の担当者はコメント要請にすぐに応じなかった。
中国政府が支援するサイバー攻撃が続いているとの米政府の主張を中国側は一貫して否定。中国外務省の報道官は先月、米財務省を狙ったハッキングの背後に中国がいるとの言い分は「不当で根拠がない」と反論した。
原題:China Hackers Broke Into 400-Plus Treasury PCs, Report Says (1) (抜粋)