切り裂かれた瞬間のような土星の衛星「タイタン」【今日の宇宙画像】
【SAPOD】今日の「宇宙画像」紹介です。soraeが過去に紹介した特徴的な画像や、各国の宇宙機関が公開した魅力的な画像、宇宙天文ファンや専門家からお寄せいただいた画像を紹介しています。(文末に元記事へのリンクがあります)
(引用元:NASA ジェット推進研究所(JPL))
まるで天体が切り裂かれた瞬間を捉えたようなこちらの画像、奥に写っているのは土星最大の衛星タイタンです。
- Image Credit: NASA/JPL/Space Science Institute
- NASA JPL - Obscured by Rings
その手前に写っているのは、真横に近い角度から見た土星の環。視野の外にある土星本体の影が左から環に落ちているので、2本の明るい部分に暗い部分が挟まれたように見えています。
暗い部分にある環の隙間(カッシーニの間隙)からはタイタンの一部が細い線のように見えています。
この画像は2012年5月16日にアメリカ航空宇宙局(NASA)と欧州宇宙機関(ESA)の土星探査機「カッシーニ」によって撮影されました。
カッシーニ・ホイヘンスとは
カッシーニ(Cassini)は、土星とその環や衛星を詳しく観測するために開発されたNASAの探査機です。全長は6.8mで、地球から遠く離れた土星を探査することから直径4mの高利得アンテナを備え、電源には放射性同位体熱電気転換器(Radioisotope Thermoelectric Generator: RTG)を採用。科学機器としてカメラ、分光計、宇宙塵分析器、磁力計、レーダーなどが搭載されていました。これらの機器類に加えてカッシーニには、濃い大気を有し、生命が存在する可能性も指摘されている土星の衛星タイタンに着陸するESAの着陸機「Huygens(ホイヘンス)」も搭載されていました。
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編集/sorae編集部