デス・スターに似た星。土星の衛星「ミマス」【今日の宇宙画像】
(引用元:sorae 宇宙へのポータルサイト)
こちらは、アメリカ航空宇宙局(NASA)の土星探査機「カッシーニ」が撮影した「土星の衛星ミマス」です。
ミマスは、1789年にイギリスの天文学者ウィリアム・ハーシェル(William Herschel)によって発見されました。ミマスを代表する大きなクレーターは、直径が約130kmもある「ハーシェル・クレーター」です。ミマスの直径が約396kmなので、ハーシェル・クレーターはその3分の1ものサイズがあることになります。
巨大なクレーターを持つミマスの姿は、映画「スター・ウォーズ」シリーズに登場する宇宙要塞「デス・スター」を彷彿とさせるもので、画像を公開したNASAも解説文でデス・スターに触れているほどです。ただし、デス・スターは1977年公開の『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』で初めて描写されたのに対し、ミマスの巨大クレーターの存在が初めて確認されたのは1980年のボイジャー1号フライバイ時のことです。偶然という言葉で片づけるには惜しいほど似ていますが、それでも全くの偶然です。
なお、ミマスは「氷の外殻に覆われた内部海が存在する可能性」が示された研究成果が発表されています。この研究結果が正しい場合、ミマスにも地球外生命が期待できるかもしれません。
※…デス・スターに関する説明を一部追記しました。
【▲ 予想されるミマスの内部構造を示した断面図。岩石のコア(中心核)を取り囲む全球規模の内部海があり、その上を氷の外殻が覆っている(Credit: Frédéric Durillon, Animea Studio | Observatoire de Paris – PSL, IMCCE)】土星探査機カッシーニとは
【▲ 土星を周回する軌道に入る土星探査機「Cassini(カッシーニ)」の想像図(Credit: NASA/JPL)】カッシーニは土星とその環や衛星を詳しく観測するために開発されたNASAの探査機です。全長は6.8mで、地球から遠く離れた土星を探査することから直径4mの高利得アンテナを備え、電源には放射性同位体熱電気転換器を採用。科学機器としてカメラ、分光計、宇宙塵分析器、磁力計、レーダーなどが搭載されていました。これらの機器類に加えてカッシーニには、土星の衛星タイタンに着陸するESAの着陸機「Huygens(ホイヘンス)」も搭載されていました。
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編集/sorae編集部