宮内庁インスタやSNSの課題、皇室のこれから 秋篠宮さま会見
還暦を迎えた秋篠宮さまは11月30日の誕生日を前に、記者会見に臨まれた。会見の全文を三つに分けて紹介する。㊦では宮内庁の公式インスタグラム、SNS(交流サイト)、そして皇室のこれからに話題が及んだ。
記者会見全文㊤ 戦後80年、万博、クマ 25年の印象的な出来事 記者会見全文㊥ 悠仁さまのポテトサラダと栗ご飯、小室眞子さん出産
(問4)宮内庁は公式インスタグラムで秋篠宮家のご活動の紹介を始めました。秋篠宮家の活動をどのように知ってもらいたいとお考えですか。SNSを巡っては個人のプライバシーが問題になっています。ブラジルへの公式訪問中には、機内で佳子さまがお休みになっているご様子がSNSに投稿されることもありました。殿下はSNSの持つ課題についてどうお考えですか。
Advertisement--まず、インスタグラムでのご活動の紹介のことについてお願いします。
◆宮内庁がインスタグラムを始めて2年近くたつのでしょうか。そして、最近は私たちのところもそうですし、宮家全体がインスタグラムで紹介されるようになり、フォロワー数もかなり多くて、結構なことだと思います。
月に1度程度の投稿ですので、即時性という点はそれほどありませんけれども、私としてはどれも実際に出席した行事についての写真を紹介するのが目的ですので、そのことをそれ以上でもなく、それ以下でもなく、知ってもらえればいいのかなと思います。
ただ一つ、私は、以前にウェブサイトとSNSの関係を惑星と衛星に例えたことがあったと思います。惑星と衛星が結び付いている。
どういう状況かというと、SNS、宮内庁の場合はインスタグラムがあって、それが惑星たるウェブサイトとリンクしていて、ウェブサイトがインスタグラムのアーカイブになっている必要があると思うのですね。
ところが今、この前も試してみると、そのインスタグラムの写真からアーカイブのところに一足飛びに移動することができない状態になっています。
ある一つのこういう行事に出ましたということが、インスタグラムで紹介されるわけですけれども、その本体であるウェブサイトの方に、もう少しいろいろな情報が入っているわけですので、そのあたりがリンクすると、いいのかなというふうに思ったところです。
--SNSの持つ課題について。
◆SNSは、情報を瞬時に広めることもできますし、使う人々が、双方向で迅速にコミュニケーションを取れるというメリットがありますが、一方では、ひぼう中傷などによる悲しい出来事も起こっています。その両面があると思います。その上で、今、質問にありましたように、プライバシーの問題というのも出てくると思います。
先ほどの事例で言いますと、飛行機の中で休んでいる写真がSNSで広がるというわけですけれども、そこに写っていた一人の人間の中に公的な立場と、それから個人、去年、私が話した言葉で言うと生身の人間ですね、両方が一つになっています。
それを分離するというのはなかなか難しいことだと思いますが、少し前の時代、今も続いているわけですけれども、テレビ、新聞や放送などのマスメディアの時代であれば、もしかすると、それはいろいろなところに広がらないようにできたかもしれないですね、話し合いをすると。
ただ、今のSNSの時代では、それが非常に難しいことだと思います。とにかく、誰でも写真を撮る、画像を撮れて、誰でもが拡散できるわけですから。そこは非常に難しいと思います。
そして、更にSNSに、今度は全く別の進化を遂げてきたAIが一緒になるというのが、現在の状況だと思います。そうすると、単に先ほどのような画像が外に出ていくだけでなくて、フェイク画像や2次創作画像などが拡散することもあり得て、新聞や放送などのマスメディアの時代とは大きく環境が異なってきているように思います。
SNSにAIがくっ付いた状態で、これが今後どうなるかというのは、恐らく誰も分からないのだと思います。5年先のことではないですよね、1年先でも分からないというのが現状だと思います。このように、今後どうなっていくか分からないというのもSNSの一つの課題ではないかと思います。
情報テクノロジーが発達して、著しく、絶えず変化するメディア環境にあって、SNSをその中に位置付けて、その可能性であったり、課題であったりを捉えるという、ものの見方と言いますかね、そういうことも必要になってくるのではないかと思います。以上です。
(問5)寛仁親王妃信子さまの独立生計が認定され、秋篠宮家以来となる新宮家が創設されたことへの受け止めをお聞かせください。昨年の記者会見で殿下は「皇族も生身の人間」と話されました。その後、状況やお考えの変化はありますか。未成年皇族がいなくなり、今後の公的な活動の担い手が減ることが想定されるなか、現状をどうご覧になっていますか。
--まず、新宮家について。
◆これについては、私としては新たな宮家が創設されたということを認識したということです。
--続いて、昨年の殿下の生身の人間というご発言について。
◆生身の人間、皇族も生身の人間であるということは、私は今でもそのとおりだと思っておりますし、ただ、去年、この生身の人間の話をして以降、何か目に見える変化があったかというと、それはないと思います。ただ、私の受けている印象では、宮内庁のしかるべき人たちは、そのことを真摯(しんし)に受け止めてくれているというふうに思っています。
--今後、公的な活動の担い手が減ることが想定される中、どうご覧になっているか。
◆これは、高齢化も含めて、公的な活動の担い手が減ってきているというのは、もう間違いないことです。しかし、その状況を変えるのは、今のシステムではできません。いかんともし難いことだと思います。やはり、全体的な公的な活動の規模を縮小するしか、今はないのではないかと思います。以上です。
--今回、戦後80年の節目に当たっての記者会見ですけれども、殿下、先ほどもお話ありましたけれども、戦後80年を振り返ってみて、半世紀前は戦争の記憶を直接持っている人、戦争を知っている人、そういう人が周りにいて、それが段々いなくなって、ある意味そういった記憶が失われつつあるという危機感を示されました。そういった中で、国際社会を見ていると紛争が続いていたり、いわゆる戦後80年で国際社会が築き上げてきた国際協調とかっていう機能が失われて断絶していると。世代が断絶していると。それとSNSのお話が先ほどございましたけれども、SNSの普及によって一方的な主張ですね、フェイクニュースとかそういったものも広まって、ますます正当な記憶、真実の継承とか、そういった国際的な協調の機運というのがなかなか難しい時代になっていると思うんですけれども。そういった中で皇室はですね、歴史とか伝統とか、継続性を大切にされてきたわけですけれども、殿下はこういう時代にあって皇室の活動はどのようなことを心掛けていくべきだとお考えでしょうか。その辺、改めてお伺いしたいのと、あと悠仁さまとですね、こういった現状についてどのようにお話しされているのか、その2点をお伺いできればと思います。
◆そうですね、やはり皇室の活動として大事なのは、対話だと思うんですね。直接的に、今お話のあったようなことに結び付くかどうかは別にして、国際関係について言うと、皇室というのは外交はできないわけですね。外交をすることはできませんけれども、親善はできるんですね。そうすると、やはり、その中で少しでも相互理解が深まるようになることが大事ではないかと思います。あと、息子とのことについてですけれども、これは、以前ほど会う機会が多くはないわけですけれども、会って話をしている中で、今お話のあったようなことについて、話をすることがありますし、また、私が見てちょっと必要かなと思った本を紹介したりとかするようなことがあります。
--先ほど殿下もおっしゃったように、生身の人間であるという、多分プライバシーを守るということの中で、これから大変プライバシーを守ることと密接に関わってくるのが、やはり悠仁さま、佳子さま、ご結婚についていろいろと、その問題というのもこれから関わってくると思います。多分、ご両親の方で、生身の人間であるということをお二人のために守るということが大切になってくると思うんですが、その守るということについて、お二人を守っていくということについては、どのようにお考えか、お聞かせいただきたいと思います。
◆なかなか守るといっても、それをどうするかというのは難しいことだと思います。ただ、結婚のことだとか、そういう大切なことについての情報管理というのはしっかりと行っていかないといけないと思いますし、そのためにどうするかというのを考えるのは、私たち親の役目であると思います。