まさかの「人力」AIだったAIスタートアップ、破産申請へ

Image: AntonKhrupinArt / Shutterstock

Microsoftお墨付きだったのに…。

「ピザを注文するのと同じくらい簡単にソフトウェアを開発する」と謳っていた、ロンドン拠点のAIスタートアップ企業Builder.ai

かつて15億ドルもの評価額を受け、さらにはMicrosoftやカタール政府系ファンドの支援まで受けていたこの企業が、破産を申請しました。

理由のひとつは、AIに任せていると思われていた作業が、実は約700人ものインド人エンジニアによる人力作業だったことが発覚したから。まるでATMの裏に人間がいたかのような話だ…。

人力AIがバレた

Screenshot: builder.ai

たとえば2019年に、The Wall Street JournalはBuilder.aiが提供したソースコードの大部分がエンジニアによる手書きであることを暴露しています。さらに2024年後半の売上見通しが25%も下方修正されるなど、資金の流れについても不透明。

そして2025年2月に新CEOとして就任したマンプリート・ラティア氏が財務記録の虚偽記載を暴いたのが決め手となり、破産申請と相成りました。人力AIの可能性は5年も前から指摘されてたわけですねぇ。

「AIウォッシング」にご注意

Builder.aiの破産は、ChatGPTの流行によって苛烈になったAIムーブメントにおいて、最大級のAIスタートアップの失敗と言われています。

金額でみると、Microsoftをはじめ、ソフトバンクグループ傘下のVC企業ディープコア、そしてカタール投資庁などもBuilder.aiに出資していました。その総出資額は4億5000万ドル以上

AIを利用したこの手の高見えマーケティングは、AIウォッシングと呼ばれています。一見すごそうな最新技術に可能性を見出してしまう、人類はそういう生き物なんでしょうね…。

「◯◯ってスタートアップのAIが凄いんだけど、出資してみない?」と誘われても、まずは落ち着いて。AIを装った人間の可能性だってありえますから

Source: Builder.ai, The Times of India, Vietnam.vn

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