CDをリッピングした際に楽曲名が間違っていたり楽曲が欠けたりする原因とは?
音楽ストリーミングサービスが普及した今でも、ストリーミングに対応していないCDをデータ化したりなるべく高音質な形式でデータ化したりといった要望を満たすためにCDのリッピングソフトを使い続けているユーザーは多数います。しかし、PCでCDをリッピングしようとすると、CDDBのミスなどが原因で楽曲のタイトルが正しく登録されなかったり楽曲が1曲丸ごと欠け落ちてしまったりすることがあります。このリッピングやCDDBにまつわる不具合について、プログラマー兼写真家のアビゲイル・ペイン氏が解説しています。
Why Does My Ripped CD Have Messed Up Track Names? And Why Is One Track Missing? :: abi abi
https://www.akpain.net/blog/inside-a-cd/ペイン氏はFinish Ticketの「Echo Afternoon」というアルバムをメディアプレーヤーの「VLC」でリッピングした際に複数の問題に遭遇しました。
問題1:「Raincloud」という曲名が「Rainclous」として登録される
問題2:「Nothing Coming Soon」の再生時間は本来は41秒なのに4分26秒の楽曲として登録される 問題3:12曲目の「The Weight」が登録されないCDのリッピングソフトは、「楽曲名」「再生時間」「作曲者」といった情報をリッピング後のファイルに含めるために「楽曲情報を蓄積しているオンライン上のデータベース(CDDB)」を参照しています。ペイン氏のCDで発生した問題は、オープンソースの楽曲データベース「MusicBrainz」に誤った情報が登録されていたことが原因でした。
まず、楽曲名が1文字間違っていたのは単純に『Echo Afternoon』の情報をMusicBrainzに登録した人が1文字だけ入力を間違えていたからでした。usicBrainzの情報は誰でも編集可能なので、ペイン氏は自分で誤字部分を修正しました。
2つ目と3つ目の問題は同じ1つの間違いに起因していました。「Echo Afternoon」のジャケット裏側を写した写真が以下。「Nothing Coming Soon」と「Don't Need A Reason」が別の楽曲として記載されています。
しかし、CDそのものに埋め込まれているメタデータでは、「Nothing Coming Soon」と「Don't Need A Reason」が結合されて1つの音楽データとして扱われていました。「Echo Afternoon」には12曲が収録されていますが、2曲が結合されたことで、メタデータ上では「11曲のアルバム」として扱われていたというわけです。
FILE "./06. Finish Ticket - Nothing Coming Soon.flac" WAVE TRACK 06 AUDIO TITLE "Don't Need A Reason" ISRC USDPK2300133INDEX 01 00:00:00
このため、MusicBrainzに上から順番に楽曲情報を登録した結果、12曲目の「The Weight」という楽曲がデータベースから除外されてしまいました。ペイン氏は「Nothing Coming Soon」と「Don't Need A Reason」を1つの楽曲として扱うようにMusicBrainzのデータを修正しました。
この2つの修正によって、ペイン氏は誤字のない12曲すべての楽曲を聴けるアルバムデータを作ることができました。
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