国連安保理、米提出のウクライナ決議採択 紛争巡り中立的立場
[国連 24日 ロイター] - 国連安全保障理事会は24日、ロシアによるウクライナ全面侵攻開始から3年を迎えるに当たり、米国が提出した決議を採択した。トランプ米大統領が和平の仲介を模索する中、同紛争について中立的な立場を取る内容となった。
安保理はロシアが拒否権を持つことから、ウクライナ紛争を巡りこれまで行動を起こすことができなかった。今回の決議は10カ国が賛成した一方、英仏、デンマーク、ギリシャ、スロベニアは棄権した。
米国のシア国連大使代理は「この決議により、われわれは平和の道に進む。最初の一歩だが、重要な一歩だ」とし、「これを生かし、ウクライナ、ロシア、そして国際社会のために平和な未来を築かなければならない」と訴えた。
決議は「ロシア・ウクライナ紛争」における人命損失を悼み、世界の平和と安全を維持し紛争を平和的に解決することが国連の目的だと確認するとともに、ロシア・ウクライナ紛争の迅速な終結と持続的な和平を求める内容。
ロシアのネベンジャ国連大使は、紛争に対する米国の立場に「建設的な変化」があったことを認めた。安保理に対し、決議は「理想的なものではない」としながらも、「平和的解決に向けた今後の取り組みの出発点となるものだ」と述べた。
しかし、193カ国で構成される国連総会は、ウクライナの主権と領土保全を繰り返し支持し、国連憲章に沿う公正で永続的かつ包括的な和平を求めている。
米国は24日、安保理が採択したのと同じ3パラグラフの決議案を国連総会で採択することに失敗した。
停戦仲介に向けたトランプ氏の取り組みを巡り、欧州やウクライナは和平協議から排除されるのではないかと警戒している。
英国のウッドワード国連大使はウクライナ和平の条件が重要だと強調し、「侵略は報われないというメッセージを送る必要がある」と述べた。
フランスのドリビエール国連大使は「ウクライナの和平に全面的にコミットしているが、われわれは包括的で公正かつ永続的な和平を求める」と語った。
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