ビットコインは9万3000ドル超に反発、SOL・ADA・XRPは12%急騰──だが、この上昇は続くのか?(CoinDesk JAPAN)
ビットコイン(BTC)は12月3日、暗号資産(仮想通貨)市場が幅広く反発する中で9万3000ドルを再び上回り、1日に約5億ドル(約780億円)の清算を引き起こした急落分の一部を取り戻した。 この動きは、週の混沌とした始まりの後にいくらかの安堵感をもたらしたが、市場全体にわたる一連の構造的ショックの後の不安を鎮めるには不十分だ。 ビットコインは過去24時間で7%超上昇し、アジア時間の午前時点で9万3360ドル付近で取引され、1日に8万4000ドルを下回った大幅な下落の一部を回復した。イーサリアム(ETH)は9%超上昇し、3000ドルの水準を回復。ソラナ(SOL)、カルダノ(ADA)、エックス・アール・ピー(XRP)、その他の複数の大型トークンも2桁の上昇を記録し、ソラナとカルダノはそれぞれ12%超上昇した。 この回復は、デリバティブ市場でのふるい落としに続くもので、過去24時間で約4億5700万ドル(約712億9200万円)のショートポジションが清算された。Coinglassのデータによると、そのうちビットコインが2億2400万ドル(約349億4400万円)、イーサリアムが9400万ドル(約146億6400万円)を占めた。 このふるい落としにより、最近の下落局面で積み上がったレバレッジポジションの大部分が解消された。
だが、反発にもかかわらず、市場センチメントは依然として慎重だ。今週初めのビットコインの急落は、週末の流動性低下とマクロ経済への不安の広がりと重なり、価格変動を増幅させる不安定な状況を作り出した。 市場全体では、ストラテジー(Strategy)株連動ETF(上場投資信託)の急落やMSCIの算出方法見直しの決定が控えていることなど、企業のバランスシートリスクに関する懸念を依然として消化している最中であり、これらはいずれも最近の取引でリスク選好を圧迫してきた。 2日のビットコインの上昇は、いくつかの追加的なカタリストに支えられた。 米証券取引委員会(SEC)のポール・アトキンス(Paul Atkins)委員長が、デジタル資産企業向けの「イノベーション免除」提案の枠組みを詳細に説明する予定だと発言したことを受け、市場には新たな楽観ムードが広がった。 これは、数カ月にわたる政策立案の停滞を経て、規制の明確化に向けた一歩と見なされた。バンガード(Vanguard)が今週、暗号資産(仮想通貨)に特化したETFと投資信託の取引を自社プラットフォームで許可した決定も、長期にわたる資金流出の後、センチメントを明るくするのに寄与した。 とはいえ、この反発の構造は、トレンドの転換というよりも、主に安堵感からの動きであることを示唆している。市場の厚みは依然として不均一であり、いくつかの大型トークンは数週間ぶりの安値から回復しつつある。 次の試金石は、デリバティブ市場が清算サイクルから落ち着いた後、現物需要がこの動きを維持できるかどうかである。 |翻訳・編集:廣瀬優香|画像:|原文:SOL, ADA, XRP Zoom 12% as Bitcoin Bounces Above $93K. But Will The Rally Last?
CoinDesk Japan 編集部