金価格また過去最高値、貿易戦争拡大に警戒感で安全資産需要高まる
Sybilla Gross
- アジア時間に一時0.7%高の1オンス=約3077ドル-4週連続上昇へ
- 金価格は今年に入り約16%上昇、過去最高値を少なくとも15回更新
金スポット価格がアジア時間28日にまた過去最高値を更新した。トランプ米大統領が自動車に対する輸入関税を発表したことで、市場では貿易戦争拡大への警戒感がくすぶっている。
金価格は一時、0.7%高の1オンス=約3077ドルと、前日に付けた過去最高値を上回った。安全資産需要が高まる中、週間ベースで4週連続の上昇となる方向だ。
トランプ大統領は米国時間26日、米国製以外の全ての自動車に25%の関税賦課を命じる布告に署名。欧州連合(EU)とカナダが協力して米国に「経済的損害を与えよう」とすれば、さらに大幅な関税を課すと表明した。米政権が相互関税の準備を進める中、市場は4月2日の新たな関税発表に備えている。ただ関税計画の具体的な対象範囲はまだ不明だ。
金価格は今年に入って約16%上昇しており、過去最高値を少なくとも15回更新した。地政学やマクロ経済の不確実性が高まる状況にあって、中央銀行による買いと安全資産を求める投資家の動きが価格上昇を後押ししている。
金スポット価格はシンガポール時間午前10時27分(日本時間同11時27分)時点で0.6%高の3076.92ドル。このまま行けば週間で1.8%上昇となる見通し。
原題:Gold Rises to Record as Trade War Concerns Drive Haven Demand(抜粋)
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