米軍事支出8%削減へ、国境警備・ドローン・核は例外-国防長官
ヘグセス米国防長官が米軍に送付した18日付のメモによると、米国の軍事支出を今後5年間で8%削減する計画だが、南西部の国境警備や空軍の最新ドローン(無人機)プログラム、核兵器の近代化などは対象外という。
ヘグセス氏はメモで、「国防総省の上級幹部」や司令部、同省の下部機関、米軍の各部門、民間機関に対し、2026年から始まる5年間の各会計年度の支出見積もりについて8%削減を提案するよう指示。ヘグセス氏は、これまでに準備された内容について「再検討する」とし、回答期限を2月24日に設定した。
同時に「8%削減の対象外となる可能性がある」17分野を列挙。国境警備のほか、バージニア級原子力潜水艦、「実行可能な水上艦プログラム」、国土ミサイル防衛、空軍の新型協調戦闘機(CCA)、一方向攻撃ドローン、「優先度の高い重要なサイバーセキュリティー、軍需品、インド太平洋軍の建設プロジェクト」、民間医療などが含まれている。
このメモでは、トランプ大統領とヘグセス氏の意向に沿う形で、気候変動やDEI(多様性、公平性、包摂性)に関連するプログラムへの過度な官僚主義や支出をターゲットにするよう求めている。ヘグセス氏は、これらについて「影響力が小さい」とし、「無駄」と述べた。
ヘグセス氏のチームは、これまでの政権と同様、前政権の支出計画の見直しと修正を行っている。同計画では、2026年度の支出が8768億ドル(約132兆円)となっており、今年度の8490億ドルからの増加が見込まれている。
ヘグセス氏のメモでは、最もコストがかかるロッキード・マーチンの戦闘機「F35」製造など国防総省の一部の主要プログラムについては言及されていない。
ヘグセス長官の計画に関する報道を受け、米国の主要な防衛請負業者の一つであるパランティア・テクノロジーズの株価が19日の米国株式市場で10%下落。引け後の時間外取引でも値下がりしている。年初来では約50%上昇していた。
原題:Hegseth’s 8% Funding Cuts Spare Border, Drones, Nuclear (2)、Palantir Drops 10% on Report of Pentagon Slashing Budget (1)(抜粋)