シリア南部で衝突激化、暫定政府は停戦実施に苦慮
シリア南部のスワイダで19日、少数派イスラム教ドルーズ派とベドウィン(遊牧民)との武力衝突が激化した。写真はベドウィンの兵士。スワイダで撮影(2025年 ロイター/Karam al-Masri)
[ダマスカス 19日 ロイター] - シリア南部のスワイダで19日、少数派イスラム教ドルーズ派とベドウィン(遊牧民)との武力衝突が激化した。シリア暫定政府は即時停戦を発表したが、事態の収拾に苦慮している。
ロイターの記者はスワイダ市内から銃声が聞こえ、近くの村々に砲弾が着弾するのを目撃したと報告した。
内務省は同日夜、暫定政府軍部隊の派遣によりスワイダでの衝突が沈静化し、ベドウィン武装勢力が同地域から排除されたと発表した。
シリア大統領府は声明で即時停戦を発表し、敵対行為を停止するよう求めた。シャラア暫定大統領はシリアは「(国家の)分断、分離独立、宗派的扇動の実験場」にはならないと強調した。
シャラア氏はテレビ演説で、「イスラエルの介入はシリアの安定を脅かす危険な局面に陥らせた」と非難した。また、スワイダでの武力衝突はドルーズ派武装勢力によるベドウィンに対する報復攻撃が原因だと主張した。
一方、イスラエルのサール外相はシャラア氏が加害者側を支持していると述べた。「シャラアの統治するシリアでは、クルド人、ドルーズ派、アラウィー派、キリスト教徒といった少数派であることは極めて危険なことだ」とXに投稿した。
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