可視光と電波で捉えたケンタウルス座A:ブラックホールが放出したジェット【今日の宇宙画像】

【SAPOD】今日の「宇宙画像」です。soraeが過去に紹介した特徴的な画像や、各国の宇宙機関が公開した魅力的な画像、宇宙天文ファンや専門家からお寄せいただいた画像を紹介しています。(文末に元記事へのリンクがあります)

(引用元:NASA)

こちらは、大規模なジェット構造を持ち、強い電波を放つ電波銀河に分類されている「ケンタウルス座A(Centaurus A)」の2枚の観測データを左右に組み合わせたものです。

ケンタウルス座Aは、天の川銀河に比較的近く、非常に明るい銀河であることから、南半球の夜空で最も研究されている天体のひとつとされています。

この銀河の中心部には、超大質量ブラックホールが存在し、狭い領域から強い電磁波を放射する活動銀河核(AGN)を形成しています。このブラックホールの質量は太陽の約5500万倍と推定されており、そこから放出するジェットが銀河周囲の広大な空間に広がっています。

  • Image Credit: NASA's Goddard Space Flight Center, Radio telescope image of jets courtesy of NASA/TANAMI/Müller et al. Visible light image courtesy of Capella Observatory Optical/radio/visible image courtesy of Capella Observatory with radio data from Ilana Feain, Tim Cornwell, and Ron Ekers (CSIRO/ATNF), R. Morganti (ASTRON) and N. Junkes (MPIfR)
  • NASA - Black Hole Snapshot

以下は、2枚の画像を組み合わせたアニメーション画像です。

1枚目は、ケンタウルス座Aを可視光観測した画像で、銀河中心の特徴的な構造を確認することができます。2枚目は、可視光観測に加え電波観測のデータ(オレンジ色に着色)を重ねたもので、ブラックホールから噴出するジェットの全体像を示しています。

可視光では見えない構造も、電波を利用することで観測できるようになります。この画像は、ブラックホールがどれほど強力なジェットを周囲に放出しているかを、視覚的に理解することができます。

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編集/sorae編集部

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