元BiSムロ葉菜子ら異色のキャリアを持つ4人が結集、“事勿れ主義”に中指立てる - 音楽ナタリー
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元BiS、NARLOWのムロ葉菜子が「作曲家・ANCHORの楽曲を世に知らしめたい」という思いをANCHOR本人にぶつけたことがすべての始まり。彼女の強い思いに共鳴したYouTuber / TikTokerの古森もぐ、BiSの3期メンバーだったヒューガー、歌い手のいかさんとともに結成されたのが、音楽グループ・名称非公開だ。
ANCHORが手がけた名称非公開初の楽曲「事勿れ主義イズダウト」には、このグループの存在意義と目的がこれ以上ないほど率直に刻まれている。鋭利なギターの音量がグワッと上がり、「事勿れ主義者のシナリオを変えろ」という4人の叫びから始まるこの曲は、パンキッシュで疾走感のあるビート、ラウドロック直系のギターサウンドがぶつかり合うロックチューン。大人の都合、周囲との軋轢、自分自身のあきらめや不安によって消えかかっている夢や憧れを絶対に取り戻す。そのためには中指を立てて突き進むしかない──。あまりにもまっすぐで激しいエモーションを放つこの曲の根底にあるのは、メンバー4人とANCHORのリアルな経験だ。
叶わなかったアイドルの夢、グループ解散後もあきらめられない思い、キャリアにおける停滞や「もうやめるべきか?」という葛藤、臭いものに蓋をしようとする人間たちへの憤り、そして、それでもやりたいことがあるという強烈な意志。それらが音を立ててぶつかり合い、激しく共鳴し合っているからこそ、「事勿れ主義イズダウト」は圧倒的な説得力とエナジーを持ち得ているのだろう。ひたすらアグレッシブに攻めまくっているにもかかわらず、「とにかく歌うことが楽しい!」というポジティブな雰囲気が感じられるのも素晴らしい。
なんだか大げさな紹介になってしまったが、とにかくこの楽曲に触れてみてほしい。メンバー全員の生々しい歌声とアティチュードを浴びた瞬間、あなたはきっと、ずっと忘れていた(もしくは忘れたふりをしていた)何かを思い出すはず。その“何か”は間違いなく、名称非公開とあなたをつなぐことになるだろう。