ロシア占領下のクリミア半島で一般向け燃料販売が停止、ウクライナの石油施設攻撃で

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ニック・ビーク欧州特派員(ウクライナ)、マイア・デイヴィース

ウクライナがこのところ、ロシアに一方的に併合されたウクライナ南部クリミア半島への攻撃を続けている。こうした事態を受け、ロシアの支援を受ける地元当局は21日、一般向けの燃料販売を停止した。

クリミア半島ではすでに、燃料の配給制が導入されていた。最近のウクライナによるロシア占領地域の供給ルートに対する攻撃の影響で、燃料の供給不足が生じていたためだ。

ロシア政府が任命したクリミア地域行政トップのセルゲイ・アクショノフ氏は、個人や企業はガソリンスタンドで燃料を購入できなくなると説明。燃料はクリミアの「機能と安全」を確保する政府機関にのみ販売されるとした。

アクショノフ氏はこれに先立ち、クリミア半島ケルチにある石油貯蔵施設が夜間にウクライナのドローン攻撃を受け、4人が死亡、28人が負傷したと明らかにしていた。これについて、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、「ロシアによる残忍な攻撃に対する正当な対応だ」と述べた。

クリミア半島はロシアが2014年に違法に併合した地域で、これまでも物流の混乱や物資不足に見舞われてきた。ただ、今回の措置は、これまでで最も深刻な燃料供給制限とみられる。

アクショノフ氏は、「共和国(クリミア半島)の燃料市場の現状について、さらに判断し、後日公表する」と述べた。

ゼレンスキー大統領は、ウクライナがロシア南部クラスノダール地方にある石油輸送の物流施設も攻撃したと明らかにした。クラスノダール地方は、ケルチ海峡を挟んでクリミア半島に隣接している。地元当局によると、旅客フェリーに乗っていた1人が死亡したという。

また、ロシアの軍事物流施設やレーダーシステムも攻撃したとゼレンスキー氏は述べたが、具体的な場所は明らかにしなかった。

「ロシアは力しか理解しない。そして、我々の長距離攻撃能力は確実に平和のために機能している」と、ゼレンスキー氏はソーシャルメディアに投稿した声明で強調した。

一方でゼレンスキー氏は、先週末のロシア軍による攻撃で少なくとも7人が殺害され、複数の子どもを含む30人以上が負傷したと付け加えた。

ロシア国防省は、夜間にウクライナのドローン239機を撃墜したと発表した。

クリミアは戦略的に重要な拠点で、ロシア軍はここから、ウクライナのほかの地域に向けて攻撃を仕掛けてきた。

また、ロシア人に人気の夏の旅行先でもある。ただ、一部の旅行者からは、復路のガソリンを確保するのに苦労しているとの声が出ている。

ロシアによるウクライナ全面侵攻開始から4年以上がたち、停戦に向けた動きが停滞する中、両国はここ数カ月で攻撃を激化させている。

ウクライナ政府は、ロシアの燃料輸出網を攻撃することで、ロシア政府の戦争資金源を断つことに注力している。

同時にウクライナは、ロシアの戦争遂行能力を弱め、ロシア国民が受ける混乱を最大化することで、ウラジーミル・プーチン大統領に圧力をかけ、交渉の席に着かせたいと考えている。

ただ、これまでのところ、プーチン氏に協議に応じる用意がある様子はほとんど見られない。プーチン氏は6月上旬、ゼレンスキー氏が呼びかけた直接会談を「意味がない」として拒否した。

ロシアによる侵攻が始まってからの4年間で、ウクライナは防衛産業を飛躍的に発展させてきた。中・長距離ドローンの能力を急速に高め、今では世界各国の同盟国に助言や専門知識を提供するまでになっている。

攻撃を成功させ、プーチン氏に恥をかかせるたびに、必然的に報復を受けるからだ。

首都キーウをはじめとするウクライナ各地の人々は今、ロシアの報復攻撃に身構えている。

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