米国株式市場=上昇、ダウ105ドル高 米中貿易協議の進展に期待

 6月10日、米国株式市場は上昇して取引を終えた。投資家は関税を巡る対立解消を目指す米中貿易協議の進展に期待している。ニューヨーク証券取引所で5日撮影(2025年 ロイター/Brendan McDermid)

[10日 ロイター] - 米国株式市場は上昇して取引を終えた。投資家は関税を巡る対立解消を目指す米中貿易協議の進展に期待している。

ロンドンで9日に始まった米中の通商問題を巡る2回目の閣僚級協議に出席しているラトニック商務長官は、交渉は順調に進んでいるとし、10日夜に終了することを期待していると述べたが、11日まで延長される可能性もあるとの見方を示した。 もっと見る

先月ジュネーブで実施した協議後に米国はレアアース(希土類)を巡り中国が合意事項の履行を遅らせていると非難しており、両国は軌道修正を図る。

投資家はトランプ大統領が設けた厳しい貿易障壁を削減する貿易協定で米国が合意することに期待しており、S&P総合500種(.SPX), opens new tabは現在、2月に付けた史上最高値をわずかに下回る水準で取引されている。

ホライズン・インベストメンツのスコット・ラドナー最高投資責任者(CIO)は「米国はこの問題を解決し、『解放の日』の関税水準が実現することはないだろう。現在達成している市場のバリュエーションを維持したまま、そうした関税水準が現実のものとなることはあり得ない」と語った。

大型ハイテク株の値動きはまちまちだった。電気自動車(EV)大手テスラ(TSLA.O), opens new tabは5.6%上昇し、S&P500を押し上げた。
グーグルの親会社アルファベット(GOOGL.O), opens new tabは1.4%上昇。対話型人工知能(AI)「チャットGPT」を運営する米新興企業オープンAIが、必要な計算能力の増加に対応するため、グーグルのクラウドサービスを活用する計画だと、ロイターが報じた。 もっと見る
S&P500の主要11セクターでは10セクターが上昇。エネルギー(.SPNY), opens new tabが1.77%高、一般消費財(.SPLRCD), opens new tabが1.19%高と上げを主導した。

米取引所の合算出来高は185億株。直近20営業日の平均は179億株。

投資家は連邦準備理事会(FRB)の金利見通しを探るため、11日発表の米消費者物価指数(CPI)統計に注目している。

製薬会社インスメッド(INSM.O), opens new tabは治験薬の中期臨床試験で、患者の肺の血圧を著しく下げ、運動能力を改善させる効果が見られたと発表。株価は約29%急騰した。
通期利益見通しが市場予想を下回った食品メーカー、JMスマッカー(SJM.N), opens new tabは15.6%急落した。
画像共有アプリ「スナップチャット」を運営するスナップ(SNAP.N), opens new tabは0.1%安。来年に初のスマートグラスを消費者向けに発売すると発表し、ウェアラブル技術市場におけるメタ・プラットフォームズ(META.O), opens new tabとの競争を激化させた。
S&P500では値上がり銘柄が値下がり銘柄を2.0対1で上回った。 (.AD.SPX), opens new tab

LSEGデータに基づく暫定値です。前日比が一致しない場合があります ※米国株式市場

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