「高市政権は今年中にひっくり返る」小沢一郎・独占インタビュー

 サナエトークン、対立候補への誹謗中傷動画の拡散、囁かれる旧統一教会との関係etc…。相次ぐスキャンダルにもかかわらず高市政権の一強は揺るがない。しかし、政界の剛腕・小沢一郎は「高市政権はすぐに覆るさ」という。かつて高市首相も所属した新進党で55年体制を崩壊させた小沢氏が、今、思い描く「政権交代への青写真」とは?

政界の「陰の将軍」として長きにわたり君臨してきた小沢一郎が高市政権の今後を”大予言”!

 今年2月の第51回衆院選において、57年に及ぶ議員生活で初の落選を喫した小沢一郎。だが、その動きは今も活発だ。今月には自身の率いるグループ「一清会」の新事務所を都内に開設し、他の落選者の拠点にしたいと呼びかけた。近年稀に見るほどに弱体化した野党に活路はあるのか。過去二度の政権交代を導いた小沢氏が“大予測”を展開! ――小沢さんは高市首相が新進党に所属していた頃に党の代表を務めていました。 小沢 高市君が出てきた頃から知っているから。住専の不良債権に公的資金を投入するのに反対して、予算委員会室の前に座り込んだこと(※1)があっただろう。当時から目に付く存在だったね。

’94年11月、新党準備会の総会で新党名を「新進党」と決定。あいさつする小沢一郎氏。左から細川護熙氏、海部俊樹氏 写真/産経新聞社

――当時と現在では高市首相の印象は変わりましたか。 小沢 個人的に親しかったわけではないから人間性はわからないけど、今ほど右寄りではなかったよな。 ――高市首相は1993年に無所属で初当選後、政策集団「リベラルズ」(※2)に合流しました。当時はタカ派ではなかったとの評価もあります。 小沢 (安倍)晋三君の影響だろうなあ。しかし、晋三君は発言が不評を買うと自制するところがあった。高市君は情緒的に本音を口にしてしまう。リーダーが他人の顔色を伺うのは良くないが、かと言って感情のままに発言してもいけない。政治家は常に冷静で、論理的でなくては。 ――昨年の国会での台湾有事発言の際には、言動の軽率さが指摘されました。 小沢 あれは本心さ。ただ、それを口にすると大きな反発を買うと予測できなかったんだろう。その意味では、単純といえば単純、素直といえば素直だ。最近では多少の反省もしていると思うけど。 ――台湾有事発言以降、日中関係の冷え込みが懸念されています。 小沢 高市君はあまり気にしていないんだろう。しかし、経済に悪影響が及べば、国民が黙ってはいない。原油高騰のうえに日中貿易まで冷え込めば間違いなく日本経済に影響が出てくる。そうなれば、見て見ぬふりをするわけにもいかなくなるよ。

「普通の国」とは「軍事国家」ではない

――3月の日米首脳会談では高市首相に対して「トランプに媚びた」との声もあります。先日、小沢さんはYouTubeチャンネルで「なぜ日本はNOといえないのか?!」という動画を公開されていました。 小沢 フランスやイタリアは、イラン攻撃に関与する米軍機の領空や基地の利用を拒否した。対して、日本は佐世保の米軍基地から揚陸艦が出撃している。なぜ日本がNATO諸国のようにアメリカにNOと言えないのかといえば、日本人が甘えているからだよ。 トランプ以前から、日本の「安保ただ乗り論」(※3)は指摘され続けてきた。日米安全保障条約は、日本が武力攻撃を受けるとアメリが助けてくれるが、アメリカが攻撃されても日本は防衛の義務を負わない片務条約だ。日本がアメリカに一方的に守られているから、言いなりになるしかない。 沖縄で米兵の暴行事件があると日米地位協定を改定しようと声が高まるが、アメリカには鼻で笑われてしまう。対等な関係にならなければ、アメリカに物申すことはできないんだ。 ――小沢さんの長年の持論である「普通の国」(※4)論ですね。 小沢 当たり前の自立した大人の国になれと。「自立と共生」が僕の政治哲学の柱だからね。 ――しかし、「普通の国」というフレーズが誤解されているように感じます。ただただ、軍備を増強することが「普通の国」であるかのように。 小沢 勘違いされているんだ。1993年に『日本改造計画』を出した後も「軍国主義を再来させるつもりか」と批判された。そんな話ではないんだ。他国が当たり前にやっていることを、軍備も含めて日本もやるべきだと言っているに過ぎない。 ――高市首相の熱心な支持者にも「普通の国=軍備増強」との誤解があるように思います。 小沢 高市君の支持者だけじゃないさ。日本人全体がわかっていないよ。民主主義においては国民のレベル以上の政治家は現れない。もし政治家が愚かだと思うのであれば、国民が愚かということだ。そのことを日本人は自覚しなくてはダメだな。

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