フィリピンのドゥテルテ前大統領、「麻薬戦争」で逮捕なら受け入れる
- ドゥテルテ氏、数千人が殺害された麻薬撲滅政策を推進した
- 10日時点でICCから逮捕状について通知はない-大統領府
フィリピンのドゥテルテ前大統領は9日、自身が推し進めた麻薬撲滅政策で数千人が殺害されたことを理由に国際刑事裁判所(ICC)から逮捕状が出された場合、刑務所に行く覚悟があると表明した。
ドゥテルテ氏(79)は香港で開かれたフィリピン人支援者の集会で、「それが私の運命なら受け入れる。逮捕されたり投獄されたりすれば、われわれは何もできない」と述べた。フィリピンのボンボラジオがフェイスブックに集会の動画を投稿した。
同氏は容疑者数千人の命を奪った「麻薬戦争」について、国民と子どもたちのために行ったことだと聴衆に語った。フィリピン政府のデータによれば、2016-22年に政権を率いたドゥテルテ氏は6000人余りが殺害された反麻薬キャンペーンを開始した。
ICCの検察局は10日、進行中の捜査についてはコメントしないが、捜査は11年11月-19年3月に発生したとされる犯罪に焦点を絞っていると発表。「機密保持は業務の重要な一部であり、捜査の完全性を守り、被害者と証人、検察局が関わる全ての人々の安全とセキュリティーを確保するために不可欠だ」と説明した。
フィリピン大統領府は10日時点でICCから逮捕状について通知を受けておらず、国際刑事警察機構(インターポール)からの通知もないと明らかにした。
大統領府のルイス報道官は9日、ICCから人道に対する罪でドゥテルテ氏に逮捕状が出されたと聞いていると述べ、「政府はあらゆる事態に備えている」と記者団に伝えていた。
原題:Duterte Says He’s Ready for Prison If ICC Orders His Arrest (2)、Duterte Says He’s Ready for Prison If ICC Orders His Arrest (1)(抜粋)