中国製戦闘機でインド軍の仏・ロシア製戦闘機を撃墜、パキスタン主張

インドの軍事攻撃に対し中国製戦闘機を出動させていると、パキスタン政府が明らかにした。カシミール地方を巡るインドとの緊張がエスカレートする中で、パキスタンは自国の行動について中国と完全に情報を共有しているという。

  パキスタンAP通信が報じたところによると、同国のダール外相は7日に議会で、中国製戦闘機「殲-10C(J-10C)」でインド軍戦闘機5機を国境地帯で撃墜したと報告した。撃墜した中には、フランス製戦闘機「ラファール」も含まれていたという。

  インド政府は7日早朝の軍事作戦に参加した戦闘機が撃墜されたかどうか、公には確認していない。

  ダール氏はインド軍の攻撃が始まった直後から、軍事的な対応について中国に報告を続けていると表明。中国の姜再冬・駐パキスタン大使は現地時間7日午前4時にパキスタン外務省を訪れた。

  パキスタンの主張を受け、8日に中国の兵器メーカーの株価が上昇。殲-10Cを製造する成都飛機工業は20%上昇し、2日連続の大幅高を記録した。

  中国はパキスタンにとって最大の兵器供給国で、世界の兵器の動きを追跡調査するストックホルム国際平和研究所のデータによると、2019年から23年にパキスタンが輸入した兵器の約82%は中国製だった。

  タカ派的な論調で知られる「環球時報」の元編集長、胡錫進氏は、パキスタン軍の撃墜成功が事実であれば、「中国の軍事的な製造技術の水準が完全にロシアとフランスを上回った」ことを示すと、ソーシャルメディアの微信(ウィーチャット)に投稿。台湾は「いっそうの恐怖」を感じているに違いないと続けた。パキスタン軍はラファールのほか、ロシア製「ミグ29」、「スホイ30」を撃墜したとしている。

戦闘はエスカレート

  パキスタン軍は8日、インド軍のドローン(無人機)12機を撃墜したと発表した。チョードリー軍報道官は記者会見で、同日未明から早朝にかけてのドローン攻撃で民間人1人が死亡、兵士4人が負傷したと説明、撃墜したドローンの写真を公開した。

  この会見後、戦闘激化が続いていることが嫌気され、パキスタンの主要株価指数であるKE25指数は一時8.8%安となった。

  これに対し、インド国防省はパキスタンが7日と8日にインド北部と西部の15都市をミサイルで攻撃したが、防空システムで防いだと主張。スリナガル、ジャム、アムリツァルなどが標的にされたという。一方でインド軍はパキスタン各地の防空レーダーや防空システムを攻撃し、ラホールの防空システムを「無力化」したと主張した。

原題:Pakistan Says It Shot Down 12 Indian Drones, Stocks Plunge (2)(抜粋)

Pakistan Says It Shot Down Indian Drones as Tensions Escalate、India Says Neutralized Pakistan’s Missile Attacks on 15 Cities(抜粋)

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