世界のテクノロジー株が下落-エヌビディアとASMLのダブルパンチ
- 米政府がエヌビディアに対し中国へのH20チップの販売を制限
- ASML受注は予想下回る、関税の影響定量化する方法分からず
人工知能(AI)向け半導体で圧倒的シェアを持つ米エヌビディアの中国向けチップ輸出に対する米政府の新たな規制と、オランダの半導体製造装置メーカーASMLホールディング の期待外れの受注を受け、世界の株式市場でテクノロジー株が下落している。
トランプ米政権はエヌビディアに対し、同社が中国向けに設計したAIアクセラレータ「H20」について、今後は中国への輸出に許可が必要になると通知した。
ハイテク分野での米中の争いが一段とエスカレートすることになる。
ASMLが16日発表した1-3月(第1四半期)の受注高はブルームバーグがまとめたアナリスト予想平均を下回った。最近の関税発表の影響を定量化する方法が分からないとの同社のコメントは投資家の不安をあおり、同社株はアムステルダム市場で一時7.6%下落した。
関税がすでにグローバル企業に大きな打撃を与えていることが浮き彫りになる。欧州のテクノロジー株がASMLに連れて下落し、ストックス600テクノロジー指数は3.6%安となった。
インベスコ・アセット・マネジメントの木下智グローバル・マーケット・ストラテジストは、H20規制はエレクトロニクス分野での中国の台頭に対する懸念が背景であり、その意味で規制は恒久的な政策となる可能性が高いと分析。半導体のサプライチェーンに重大な悪影響を及ぼすだろうと予想した。
エヌビディアは2-4月(第1四半期)に約55億ドル(約7850億円)の関連費用を計上する見通しだと明らかにした。同社株は15日の米市場終了後の時間外取引で約5%下落した。
ASMLの発表を受けてナスダック100先物は16日、2%超に下げを広げた。
16日のアジア市場でも半導体関連銘柄が売られ、韓国のメモリーメーカーSKハイニックスが一時3.9%安、エヌビディアから半導体生産を受託する台湾積体電路製造(TSMC)が2.9%下げた。試験装置メーカーのアドバンテストはASMLの発表後に一時7.8%安と下げを広げた。
原題:Global Tech Stocks Slump as ASML Warning Adds to Nvidia Curbs(抜粋)