宝塚歌劇団星組トップ礼真琴 東京サヨナラ公演「悔いないよう駆け抜けたい」一問一答全文

「星組の大好きな仲間たちと、駆け抜けられるように頑張ります」と話す礼真琴=27日、東京都千代田区の東京宝塚劇場(成田隼撮影)

宝塚歌劇団星組トップスター、礼真琴が27日、東京宝塚劇場(東京都千代田区)での退団公演「阿修羅城の瞳」「エスペラント!」の初日を前に、取材に応じた。出身地・東京でのサヨナラ公演とあって、礼は「宝塚人生の最後の公演。悔いのないよう、星組の大好きな仲間たちと駆け抜けられるように頑張ります」と集大成にかける思いを語った。一問一答は以下の通り。

星組が大好き

―――退団公演となる

「この公演が宝塚人生、最後の公演となります。悔いのないように星組の大好きな仲間たちと、8月10日まで駆け抜けられるように頑張りますので、よろしくお願い致します」

―――どんな気持ちで東京公演に挑むか

「宝塚大劇場(兵庫県宝塚市)では卒業した実感が全くなく、千秋楽は本当に大変な1日でしたが、すごいイベントの1日を終えた感覚で千秋楽を終えたので、東京公演はよりかみしめなければ、という思いで東京に参りました」

―――最後の公演、宝塚の良さを感じる瞬間は

「今回のレビューは、たくさんのメンバーで出る場面が多く、いつも以上に仲間たちを舞台上で見る瞬間が多く、その笑顔を見ると、本当に星組が大好きだなって毎回思います」

終始、笑顔で取材に応じた礼真琴=27日、東京都千代田区の東京宝塚劇場(成田隼撮影)

―――今回、劇団☆新感線の「阿修羅城の瞳」を宝塚で上演するにあたり、ご苦労や見どころは

「劇団☆新感線さんの舞台は、あのスピード感と美しい殺陣、思わずフッと笑ってしまう面白さの絶妙なバランスが、私も大好きなので、この宝塚歌劇ならではの良さも取り入れつつ、新感線さんの格好良さを、女性だけの私たちでどう表現するか、宝塚大劇場公演の時から課題ではありました。みんなが自分の役に挑戦し続けてくれており、東京は(物語の舞台である)本場江戸ですから、さらに立ち向かっていきたいと思います」

―――自身の役(病葉出門)で大切にしていることは

「まずは滑舌。ものすごくしゃべっているので。(過去に出門を演じた)松本幸四郎さんや古田新太さんは、ものすごく言葉が気持ちよく耳に届いてくる方で、尊敬しています。学ばせていただきながら、早口ですが(私は)江戸っ子なので、どうにか皆さまに物語がしっかり伝わるように。あとはひたすら体力勝負。剣を振り回すことに、もっと慣れていきたいと思っています」

―――ショーのみどころは

「(作・演出の)生田大和先生に以前、お芝居でお世話になって、今回はレビューを書き下ろしていただいたのですが、お芝居の先生だからこそ、奥深さがたくさん詰まっていて、どこか新しく懐かしい。星組として勢いで乗り切ってしまうところを、今回はタカラジェンヌらしく、美しく華やかにをテーマに、みんなで頑張っております」

「ショーの後半『青い星』の場面の音楽は、千住明さんがこの公演のため、書き下ろしてくださった新曲で、私だけではなく、星組みんなが本当に大好きな場面。みんながいい顔をして踊ってくれています。またショーの最後、黒燕尾で私が1人で踊る場面は、初めて大石裕香先生に振り付けていただき、私の思いや表現したいものを先生とご相談したので、最後に私も心を込めてやりたいと思っています」

「星組生の笑顔を見ると、本当に星組が大好きだなって毎回思います」と話す礼真琴=27日、東京都千代田区の東京宝塚劇場(成田隼撮影)

―――新感線の作品を宝塚でやる意味をどう感じているか

「宝塚では、基本的に男女の愛がテーマになる作品が多いですが、劇団☆新感線さんの作品で、ラブロマンスをメインに描かれている作品はすごく少ないそうです。この『阿修羅城の瞳』は、鬼が絡んでくるものの、男女の愛がテーマの物語。愛にあふれたこの宝塚で、ここはわれらのプライドを見せつける、宝塚だからこそ美しい愛情を出せる作品になったらいいなと思ってます」

―――ロケット(ラインダンス)で、卒業するトップスターが一緒にタップを踊るのは珍しい

「宝塚大劇場では111期生の初舞台公演だったので、私もすごく新鮮に、自分の初舞台の初心を思い出しながら、公演をさせていただきました。東京では、111期生の組回り(一部)と、星組の下級生がタップに挑んでくれ、星組生が私の後を引き継いでくれるというテーマを新たに作り直し、新たに(ロケットに)加わった星組生もヒーヒーいながらやっていますけれども(笑)、私も若さに負けないように頑張りたいと思います」

礼真琴

れい・まこと 東京都出身。平成21年、宝塚歌劇団に首席入団し、星組に配属。アイドル的な容姿に加え、歌、ダンス、芝居と3拍子そろった実力派男役スターとして、早くから抜擢が続き、令和元年トップスターに就任。今公演で退団予定。

東京宝塚劇場公演は6月28日~8月10日。問い合わせは宝塚歌劇インフォメーションセンター(0570・00・5100)。

関連記事: