トランプ氏「週内にもゼレンスキー氏訪米」欧州軍駐留容認
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【ワシントン=坂口幸裕、北松円香】トランプ米大統領は24日、ウクライナのゼレンスキー大統領が週内にも訪米し、資源権益を譲渡する協定案に合意するとの見通しを示した。フランスや英国などが停戦後のウクライナに平和維持軍を駐留させる構想を容認すると明言した。
米首都ワシントンのホワイトハウスでフランスのマクロン大統領と会談した冒頭、記者団の質問に答えた。ウクライナの戦争はいつ終わるかと問われ「すぐに終わる可能性がある。数週間だ」と述べた。
ロシアが実効支配する領土をウクライナが奪還できるかと質問され「そう願っているが、簡単ではない。今後話し合われるだろう」と話した。
トランプ氏は紛争終結後の安全保障支援を確約する条件として、レアアース(希土類)などの権益譲渡をゼレンスキー氏に迫ってきた。24日、記者団に「彼が今週か来週に協定案に署名するために来るかもしれない。彼に会いたい」と表明した。
ウクライナとの交渉状況について「最終合意まであと一歩のところに来ている」と説明した。米政府は12日、ウクライナが鉱物、ガス、石油などの資源採掘やインフラの運営から得られる収益の半分を計5000億ドル(約75兆円)に達するまで米側に拠出する協定案を提示した。
トランプ氏は24日、自身のSNSでロシアのプーチン大統領と「戦争終結と米ロ間での経済開発の取引について真剣に話し合っている。協議は非常に順調だ」と投稿した。
プーチン氏との会談に意欲を示したものの「いつになるかはわからない」と述べるにとどめた。自身の訪ロに関しては「すぐには行かないが、全てが解決すれば行くつもりだ。プーチン氏もここに来るだろう」と主張した。
ロシアは5月9日に首都モスクワで対ドイツ戦勝80年の記念式典を催す。トランプ氏は記者団に同式典に参加するかと問われ「わからない。適切な時期が来たらモスクワに行くつもりだ」と発言した。
停戦後のウクライナに欧州が平和維持軍を駐留させる構想については「問題になると思わない」とした。「合意成立の際にはすべてが適切に順守されているか監視することも可能だ。平和維持活動ができるようになれば素晴らしい」と語った。
米国は欧州の平和維持軍を支援するかと問われ「何らかの支援はするつもりだ。欧州諸国が関与するだろうし(米国は)それほど多くの支援は必要ないだろう」と話した。
ロシアのラブロフ外相は欧州諸国が停戦監視のための平和維持部隊をウクライナに展開するという米側の案に対し、英仏などによる軍派遣を容認しないとクギを刺す。トランプ氏はプーチン氏との協議で議論したと明かし「彼は受け入れるだろう」との見方を示した。
トランプ氏はマクロン氏との会談で「私にとって非常に特別な人物だ」と持ち上げた。両首脳が会うのはマクロン氏が就任前のトランプ氏をパリに招いた2024年12月以来。当時はゼレンスキー氏を含む3者でウクライナ侵略への対応を話し合った。
マクロン氏は「長期的な確固とした平和のための議論をする。フランスと米国はこれまでも常にともに正義の側に立ってきた」と説明。「欧州はより強いパートナーとなり(欧州の)防衛と安全保障のためにもっと努力する準備ができている」と述べた。
トランプ氏は北大西洋条約機構(NATO)加盟国に各国の国防費目標を現在の国内総生産(GDP)比2%から5%に増やすよう要求している。地理的に近いロシアの脅威に直接さらされる欧州自身が防衛力を強化し、米国への依存を減らすべきだとの思いがある。
欧州は米ロ主導で進む停戦交渉がロシアに有利な形で進むおそれがあると不信感を募らせる。マクロン氏に続き、27日には英国のスターマー首相が訪米してトランプ氏と会談する予定で、米欧の対ロ政策をすり合わせる機会と位置づける。
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