新型コロナや胃腸炎、手足口病、咽頭結膜熱・ヘルパンギーナなど夏風邪の症状は? 医師監修「晩夏の感染症セルフチェックリスト」公開

クリニックフォアはこのほど、医師監修「晩夏の感染症セルフチェックリスト」を公開した。

晩夏の急性感染症、地域によっては流行期へ

全国の新型コロナ定点報告は、7月中旬以降4週連続で増加、直近(第32週:8月4日~10日)は6.87人と前週比24.2%増、晩夏も増加傾向が続いている。地域によっては定点あたり10人を超える報告もあり、重症化リスクを抱える人を中心に注意が必要な状況となっている。

また、国立健康危機管理研究機構の感染症発生動向調査(2025年第30週)によると、夏季に流行の見られる手足口病・ヘルパンギーナは例年並みの発生数だが、感染性胃腸炎は例年より発生数が多い傾向が続いている。

自宅でできる「夏の感染症セルフチェックリスト」

こうした状況をふまえ、クリニックフォアは、症状別のチェック項目、オンライン診療で相談できる例、対面受診の目安をまとめたセルフチェックリストを公開した。なお、このチェックリストは一般的な情報であり、症状が続く・悪化する場合や高熱・強い倦怠感がある場合は、早めに医療機関へ相談するよう促している。

新型コロナウイルス感染症

  • 新型コロナウイルス感染症

新型コロナでは、次のような症状や周囲の状況をセルフチェックできる。37.5℃以上の発熱または平熱より高い体温が続く、喉の痛みが強い、声がかすれる、咳や鼻水、倦怠感が数日以上続く、味覚・嗅覚の変化を感じる、家族や職場など近距離接触者に陽性者がいること。

オンライン診療で相談できる症状例には、軽度から中等度の発熱、喉の痛み、咳の症状に対する薬の相談、市販の抗原検査キット結果の確認や陽性時の療養や感染対策について相談、解熱鎮痛薬や喉の炎症を和らげる薬の処方の相談が挙げられる。

受診の目安としては、息苦しさや胸の痛み、会話が難しい強い倦怠感、意識がもうろうとしている場合は救急受診を推奨しており、高齢者や基礎疾患のある人で発熱が続く場合は早期の対面受診が必要とされる。

胃腸炎(ウイルス性・細菌性)

  • 胃腸炎(ウイルス性・細菌性)

胃腸炎のセルフチェック項目としては、突然の下痢や血便や黒色便が見られる軟便が1日3回以上続いている、吐き気・嘔吐を伴っている、38℃以上の発熱がある、水分を摂っても吐いてしまうといった症状が挙げられる。

オンライン診療で相談できる症状例としては、軽度の下痢や吐き気があるが強い脱水症状はない場合や、下痢・嘔吐に対する整腸薬や吐き気止めの処方の相談、止痢薬は症状により推奨しない場合もあるため医師と使用の可否について相談、食事・水分補給の仕方や家庭でのケアや感染対策の相談などがある。

水分が取れない、尿量が減っている、血便・黒色便、高熱が続く、強い腹痛がある場合には、速やかに対面受診する必要がある。

手足口病

  • 手足口病

手足口病のセルフチェックとして確認すべき点は次の通り。手のひら・足の裏・口の中に小さな水ぶくれや発疹、発疹はかゆみより痛みを伴うことがある、38℃前後の発熱がある、食欲不振や飲み込み時の喉や口の痛みなどがある、家庭や保育園・幼稚園・学校で流行している。

オンライン診療では、発疹や口内炎による痛みや発熱への対症療法の相談や、家庭での過ごし方や感染対策などの相談ができる。ただし、登園許可証の発行は原則対応していない。

水分摂取ができない、ぐったりしている、高熱が続く、嘔吐や意識の変化がある場合は対面受診が必要となる。

夏風邪(咽頭結膜熱・ヘルパンギーナなど)

  • 夏風邪(咽頭結膜熱・ヘルパンギーナなど)

夏風邪では、突然の高熱(38~40℃)や、喉が赤く腫れて強い痛みがある、鼻水・くしゃみ・咳が続く、目の充血や目やにがある(プール熱)、家族やクラスで似た症状が広がっている、といった点をセルフチェックできる。

オンライン診療では、高熱に伴う解熱薬の処方の相談や、喉の痛み・咳に対する薬の相談、家庭内感染予防や生活上の注意点についての相談が可能。

呼吸が苦しい、水分が取れない、意識がもうろうとしている、高熱が3日以上続く場合や乳幼児の高熱の場合は、早期の対面受診が推奨される。

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