フェルスタッペン、歴史的5連覇へ「オールイン」ノリスとの24点差に照準…逆転に向け”総力戦”宣言
2025年シーズンも残すところグランプリ2戦とスプリント1戦となった。マックス・フェルスタッペン(レッドブル)の視線は、確固たる自信と共に5年連続となるドライバーズタイトルに向けられている。
前戦ラスベガスGPではフェルスタッペンが勝利を飾った一方、タイトルを争うマクラーレンの2台がまさかの失格処分を受ける波乱が起きた。これによりポイント差は劇的に縮まり、フェルスタッペンはランキング首位のランド・ノリスに対し、わずか24ポイント差で今週末のカタールGPを迎えることとなる。
残るポイントは最大58点。シーズン最終盤に入り本来の強さを取り戻しているフェルスタッペンは、逆転王座に向けた「総力戦」を宣言した。
昨年優勝を果たしたカタールでの勝機について問われたフェルスタッペンは、気負うことなくこう答えた。
「準備は万端だ! どうなるか見てみよう。先週と同じ気持ちだ」
「差は縮まった。理想を言えばもっと縮めたかったけど、僕らは全力を尽くす。『オールイン(全賭け)』だ。最後まで盛り上がる展開にできればって思ってる」
この状況は、数ヶ月前には想像もつかないものだった。8月のハンガリーGPで失望の9位に終わった際、フェルスタッペンは「今シーズンはもう二度と勝てないだろう」と悲観的な言葉を口にしていた。
だがそこから、4度のワールドチャンピオンは驚異的な巻き返しを見せる。直近8レースで4勝を挙げ、残る4戦でもすべて表彰台を確保。かつて104ポイントもの差をつけられていたオスカー・ピアストリ(マクラーレン)に対し、366ポイントで並ぶところまで追い上げた。
ライバルの失格、不運も「レースの一部」
シーズン後半の好調さを認めつつも、フェルスタッペンは自分たちの力だけでここに来たわけではないと冷静に分析する。特にラスベガスでのマクラーレン勢の失格は、タイトル争いの流れを決定的に変える出来事だった。
かつての諦めの言葉について問われると、フェルスタッペンはこう振り返った。
「間違いなく予想していなかった展開だけど、こうしてここにいる」
「シーズンの締めくくりにはすごく満足しているし、いくつかの出来事に助けられた部分もあると思う」
「リザルトやクラッシュ、それに失格とかね。そのことは忘れちゃいけない。でも僕はハッピーだよ」
「もちろん、シーズン前半でもっと良いレースができていればと思うけど、それは変えられない。残り2戦に集中して、ベストを尽くすだけさ」
Courtesy Of Red Bull Content Pool
パドックへ到着するマックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)とフェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)、2025年11月27日(木) F1カタールGPメディアデー(ロサイル・インターナショナル・サーキット)