「準備金」の発表でカルダノが60%、XRPが25%上昇── トレーダーは完全に強気というわけではない

  • トランプ大統領がSOL、ADA、およびXRPの戦略備蓄を確立する意向を示したことで、これらの資産は3月2日に60%も急騰した。
  • それでも、トレーダーたちは計画がより具体化するまでは慎重な姿勢を示している。
  • 一部のトレーダーは、来週のETFへの資金流入に注目し、投資家のポジショニングに関する手がかりを探っている。

ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領がソラナ(SOL)、カルダノ(ADA)、エックス・アール・ピー(XRP)の国家戦略備蓄を確立する意向を示したことで、これらの暗号資産(仮想通貨)は3月2日に60%も急騰した。それでも、トレーダーたちは計画がより具体化するまでは慎重な姿勢を示している。

「現在の上昇傾向は、投資家が暗号資産準備金の発表を織り込んでおり、トランプ大統領が準備金を作成するための法的実現可能性を判断するにつれ、短期的に調整される可能性がある」と、ハッシュキー・リサーチ(HashKey Research)のディレクターであるケビン・グオ(Kevin Guo)氏は、3月3日にテレグラムのメッセージでCoinDeskに語った。「連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル(Jerome Powell)議長は以前、FRBがビットコインの準備金を保有することは認められないと述べているため、トランプ大統領の計画には依然としてハードルがある」。

「大統領の暗号資産サミットでは、より詳細な内容や、最近の低迷から暗号資産市場の回復をさらに後押しする可能性のある発表が行われるかもしれない」とグオ氏は付け加えた。

トランプ大統領は3月7日にホワイトハウスで初の暗号資産サミットを開催する予定であり、そこで暗号資産規制や暗号資産事業が国内でどのように支援されるかについて、さらなる計画が共有される見通しである。

トランプ大統領は日曜日の夜遅く、トゥルースソーシャル(Truth Social)で、XRP、SOL、ADAをアメリカの戦略的暗号資産準備金に含めると発表した。その後、同大統領は準備金を構成する資産のリストにビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)を追加し、2024年の大統領選挙キャンペーン以来の戦略的暗号準備金の構想についての議論を続けている。

これを受けて市場はほぼ瞬時に上昇し、ビットコインは3月3日に6.5%上昇して9万3000ドルを超え、幅広い暗号資産市場を追跡するCoinDesk 20 指数(CD20)は7%上昇した。

また、チェーンリンク(Chainlink)のLINK、ユニスワップ(Uniswap)のUNI、ムーブメント(Movement)のMOVEといったトークンは、トランプ一族が支援するワールド・リバティ・ファイナンシャル(World Liberty Financial)に近いことから、過去24時間で8%上昇している。

しかし、現在のラリーが持続的であるとみなされるためには、まだ多くの課題が残っているという意見もある。

「戦略準備金の創設に関するさらなる詳細が固まるまでは、より大きな変動が予想されるが、暗号資産市場のセンチメントは急速に変化しており、強気相場の継続の可能性を示唆している」と、シグナルプラス(SignalPlus)のの共同創設者兼CEOであるクリス・ユー(Chris Yu)氏は、テレグラムのメッセージでCoinDeskに語った。

ユー氏は、先週、アメリカで取引されているETFが過去最大の流出を記録したことを受け、投資家はETF商品への資金流入に注目し続けるだろうと予測している。資金流入の増加は、底値の兆候と強気相場の継続の可能性を示唆する手がかりとなる可能性がある。

|翻訳:CoinDesk JAPAN|編集:井上俊彦|画像:Shutterstock

|原文:ADA Rockets 60%, XRP Up 25% on Trump’s Reserve Plans, But Traders Aren’t Fully Bullish Yet

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