話題株ピックアップ【夕刊】(2):伊藤忠、すかいらーく、JX金属

伊藤忠 <日足> 「株探」多機能チャートより
■伊藤忠商事 <8001>  8,617円  +85 円 (+1.0%)  本日終値  伊藤忠商事<8001>が続伸。きょう付の日本経済新聞朝刊で「京都大学iPS細胞研究財団(京都市)と伊藤忠商事は、患者の細胞から個別に作る『マイiPS細胞』を安く製造できる専用キットを2025年中にも国内外で販売する」と報じられており、これを材料視した買いが入ったようだ。マイiPS細胞とは、患者本人から作製するiPS細胞のこと。患者自身の細胞のため、移植しても拒絶反応はほぼ起こらないとされる一方、オーダーメードで製造するためコストが高いという課題があった。記事によると、専用キットは培養に必要な試薬や添加剤を一つにしたもので、無菌設備がなくても製造できるとあり、これによりコストや歩留まりが改善されれば、マイiPS細胞の普及に弾みがつくとして注目されている。

■すかいらーく <3197>  3,064円  +14 円 (+0.5%)  本日終値

 すかいらーくホールディングス<3197>は小動き。4日取引終了後、8月度のグループIRレポートを発表。既存店売上高は前年同月比9.3%増とプラス基調を継続した。新店47店、業態転換21店を実施し、ともに計画を上回る売り上げを達成。「資(すけ)さんうどん」は神奈川、群馬へ初進出、海外ではマレーシアで新たに店舗をオープンした。9月から個店ごとの業績や客数状況によって割引率を自動で変動させたクーポンを配信するという。

■JX金属 <5016>  1,474.5円  +6 円 (+0.4%)  本日終値

 JX金属<5016>が5日続伸し連日の最高値更新。大和証券は4日、同社株の投資判断を新規「2(アウトパフォーム)」でカバレッジを開始した。目標株価は1630円とした。同社を「AI関連材料の中核企業」とし、26年3月期の連結営業利益は第1四半期決算発表時に上方修正した1100億円(前期比2.2%減)を上回る1180億円を予想。多様な非鉄金属を用いたAI関連材料で高い世界シェアを有し成長ポテンシャルが高いことや、資源精錬事業は段階的に縮小し高機能材料メーカーへの転換を進めていることを評価している。

■日本農薬 <4997>  1,035円  +1 円 (+0.1%)  本日終値

 日本農薬<4997>が4日続伸。午後1時ごろ、BASFジャパン(東京都中央区)と、BASFジャパン商標及び登録番号を冠する果樹分野向け製品の独占供給による販売について合意したと発表しており、好材料視された。対象製品の販売開始は10月1日を予定している。今回、BASF社が展開する果樹分野向け製品を日農薬のポートフォリオに加えることで、日本国内の果樹分野において日農薬は業界トップ水準の市場シェアに達する見込みという。なお、同件による業績への影響は軽微としている。

■AZ丸和HD <9090>  1,079円  -116 円 (-9.7%)  本日終値  東証プライム 下落率2位

 AZ-COM丸和ホールディングス<9090>が大幅続落。同社は4日の取引終了後、2025年満期のユーロ円建て新株予約権付社債(転換社債=CB)の買い入れ実施とともに、2030年満期のユーロ円建てCBの発行を発表した。既発CBを新たなCBに実質的に置き換えるリファイナンスとなる。資本調達コストを抑えつつ、負債の長期化を図る資本政策に対し、マーケットにおいては株式転換による潜在的な希薄化リスクが継続するとの受け止めも一部にあって、同社株に対する売りが促されたもようだ。25年満期の既発CBに関して、9月4日時点で株式には転換されておらず、これに伴う希薄化は発生していないという。AZ丸和HDは額面金額合計の200億円を上限に既発CBの買い入れを行い消却する予定。30年満期の新発CBは総額220億円で、発行価格は額面金額の102.5%。手取り金約219億円のうち、最大200億円を既発CBの買い入れに充当し、未充当分については既発債の償還資金などに充てる方針としている。

■ロック・フィールド <2910>  1,490円  -82 円 (-5.2%)  本日終値  東証プライム 下落率5位

 ロック・フィールド<2910>は大幅安。この日午後3時ごろ、5~7月期連結決算を発表。売上高は124億7100万円(前年同期比1.5%減)、最終損益は1000万円の赤字(前年同期1億300万円の赤字)だった。百貨店や商業施設の改装に伴う休業や退店の影響があった。また、店舗レジの入れ替えや物流システムの改修における減価償却費の増加、原材料費・店舗人件費の上昇なども響いた。通期で増収・最終黒字を見込んでいるだけに失望売りを誘ったようだ。

■インターメスティック <262A>  2,985円  -135 円 (-4.3%)  本日終値  東証プライム 下落率7位

 インターメスティック<262A>は反落。4日の取引終了後に発表した8月度の国内月次売上速報で、既存店売上高は前年同月比18.0%増と32カ月連続で前年実績を上回ったものの、株価は2日に発表した「メガネスーパー」買収を受けて急伸していたことから、この日は利益確定売りが先行したようだ。前月に続き、Snow Manの目黒蓮氏によるテレビCMをはじめとした各種プロモーション施策の効果により、「SUNCUT Glasses」が好調に推移した。なお、全店売上高は同22.8%増だった。

■フジHD <4676>  3,360円  -97 円 (-2.8%)  本日終値

 フジ・メディア・ホールディングス<4676>は一進一退の動き。旧村上ファンド系のレノ(東京都渋谷区)が関東財務局に提出した変更報告書により、村上世彰氏の長女である野村絢氏やエスグラントコーポレーション(同渋谷区)、シティインデックスファースト(同台東区)による共同保有割合が16.32%から17.33%に上昇したことが4日の取引終了後に明らかとなった。ただこれを手掛かりに買い向かう姿勢は広がらず、株価の反応は限定的なものとなった。報告義務発生日は8月28日となっている。

■壱番屋 <7630>  930円  -15 円 (-1.6%)  本日終値

 壱番屋<7630>が続落。4日に発表した8月度の月次情報で、国内のカレーハウスCoCo壱番屋業態の既存店売上高が前年同月比3.0%減となり、2カ月ぶりに前年実績を下回ったことが嫌気された。昨年8月に実施した価格改定の効果が一巡したことなどから、客単価は同0.4%増と前年並みだったものの、お盆期間中の天候に恵まれなかったことなどが影響し客数が同3.3%減と落ち込んだことが響いた。なお、全店売上高は同2.3%減だった。 株探ニュース

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