任天堂が打ち出した「Switch 2」“本気の転売対策”の余波 公式の予約抽選はSwitchユーザー優先で、新規ユーザーからは「子供に買ってあげたいけど手に入らないかも…」と不安の声

 海外よりも実質約2万円ほど安くSwitch 2を購入できるということで、日本国内のユーザーが優遇されているのは間違いないが、一方で不安を抱えるユーザーもいる。都内に住む会社員Aさん(30代男性)はこう話す。 「Switchでは、日本国内で販売されているゲームだけでなく、日本国内では未発売の輸入版のゲームをプレイしていたんです。Switch 2が日本語専用になった場合、輸入盤ゲームがプレイできるかどうかが不安です。本体の設定のみが日本語専用で、ゲーム自体は多言語に対応してくれていると助かるんですが……」  現在Switchを持っていないが、新たにSwitch 2の購入を考えている新規ユーザーにとっては、本体が手に入らないという展開も想像できる。神奈川県在住の会社員Bさん(40代男性)はこう話す。 「少し前から小学生の子供に『Switchを買ってほしい』とねだられていて、『そろそろSwitch 2が出るらしいから、そこまで待とうね』と話していたんですよ。でも、今回の発表を見る限りだと、これまでSwitchをプレイしていない人が買うにはハードルが高そう。父親としてはできるかぎりのことをしてあげたいけど、一般店舗でも予約参加のための条件が設けられたら、多分買えないと思うんですよね。ゲームファンを優遇するのは当然かもしれないけど、新規ユーザーにももうちょっと優しくしてほしいです」

 さらに、Switch 2専用ゲームソフトも、過去のSwitchのソフトに比べて高価なものとなりそうだ。たとえば、Switch 2本体と同時発売される『マリオカートワールド』はダウンロード版が8980円、パッケージ版が9980円だ。一方の2017年のSwitch用ソフトとして発売された『マリオカート8 デラックス』は、ダウンロード版・パッケージ版ともに6578円だ。ゲーム事情に詳しいジャーナリストの藤井夏樹氏はこう話す。 「Switchのソフトの場合、6000円台から7000円台がフルプライスというイメージですが、Switch 2に移行してその価格帯が8000円台から1万円程度に上がっていく可能性が考えられます。これはPlayStation5でのフルプライスのソフトと同水準なので、ゲームソフトとしては標準的な価格と言えるものですが、Switchは“子供向け・ファミリー向けのゲーム機”という側面も強く、たとえば子供がお小遣いをためて買うにはちょっと高い。1万円を出して買うとなるとユーザーとしてもしっかり遊びたいし、“つまらないゲームを掴みたくない”という心理も働くでしょう。その結果、“確実に売れるゲーム”ばかりになっていくことも考えられると思います」  また、アメリカではトランプ政権が発表した関税の影響を見定めるため、アメリカ国内でのSwitch 2の予約開始を延期した。今後アメリカ国内での販売価格が値上げされる可能性も指摘されている。 「過去の例で言うと、任天堂はゲーム機などに高い関税がかかっていたブラジルから撤退していた時期もありました。さすがにアメリカの市場から任天堂が撤退するということはないでしょうが、トランプ関税による影響でSwitch 2の価格がさらに値上げされたら、アメリカにおけるSwitch 2人気が盛り上がらない可能性も考えられる。いまのゲーム業界は世界のマーケットで勝負するのが基本ですから、任天堂としても頭が痛いところでしょう」(藤井氏)  果たして、Switch 2は転売業者の網をすり抜け、確実にユーザーの元に届くのか。そして、トランプ関税の影響はどうなるのか──。待望のSwitch 2としては、少々不安な船出となりそうだ。

マネーポストWEB
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