【F1カメラマン熱田護の「気合いで撮る!」】第121回:カタールGPでなんとかポイントを獲得したレッドブル・角田選手の進退が確定しました
カタールGPが終わって火曜日に発表がありました。角田選手の2026年はレッドブルのテスト&リザーブドライバーとなりました。
残念、大変残念ながら来季のレースシートはなくなってしまいました。
その理由は1つではないと思いますが、結果を残せなかったことが一番大きかったのではないかと思います。カタールまで23レースを戦ってきてランキング15位。チームメイトのフェルスタッペン選手は2位ですから。
ポイントを持って帰るのがドライバーの仕事です。このコラムで何度も書いてきていますが、レーシングチームというのは会社です。強い組織を構築し、速いマシンを製造し、スピードを持っているドライバーと契約してレースを戦い、ポイントを得て従業員の給料を払わなければいけません。
成績が上がれば大きなスポンサーも得られるでしょうし、分配金の金額も上がる。結果、さらにいいドライバー、エンジニア、メカニック、さまざまな部署の人材を確保できて、ますますいいチームになっていく。
ドライビングが難しいとされているレッドブルのマシンでも、ドライバーとしてチームに貢献するには唯一ポイントを持ち帰るということ。
今シーズン角田選手の走った各セッションでさまざまなことがあったのでしょう。外に言えないようなことも多々あったと思います。しかし結果を残せなかった。
フェルスタッペン選手でもカタールでは、マクラーレンのスピードには対抗できる状況ではありませんでした。しかし、予選では3位を得ているのはさすがと言えます。
フェルスタッペン選手という現役ドライバーの中でもパフォーマンスはずば抜けている存在ですから、そのチームメイトとなって成績を残すことができればF1ドライバーとして評価を得られるし、そのチャンスを実際に手に入れられたわけですから角田選手のパフォーマンスを期待されていたわけです。
桜満開の鈴鹿サーキットで目指していたレッドブルのシートを得るというニュースを聞いたときは、それはそれは嬉しかったです。
多くの日本のファン、海外のファンからも期待が寄せられました。もちろん、角田選手本人もようやく巡ってきたチャンス、嬉しかったに違いありません。
ご存知のように、モータースポーツはどんなカテゴリーでもレーシングマシンを使うスポーツですから、その性能に違いが生まれます。同一カテゴリーでも、速いマシン、遅いマシンがあるわけです。その速いマシンに乗れることが勝つことへ、そしてチャンピオンになることへの第一歩になるわけです。
レーシングドライバー、レーシングライダー、誰でもいいマシンに乗りたい、あのマシンに乗れれば自分は勝てるに違いないと思ってレースを戦っています。職業ドライバー、ライダーは皆そう思っているだろうし、そうでなければいけないと僕は思っています。
今年で33年F1に通っていて、チャンピオンチームに日本人ドライバーが乗れる日を心待ちにしていました。そして日本人ドライバーがF1で表彰台のてっぺんに立つところを撮ってみたいという願望が叶うかもしれないと思いました。
鈴木亜久里さん、佐藤琢磨さんが3位表彰台に上がっていますが、2位、そして優勝できる、そんな期待が角田選手のレッドブル昇格に合わせて盛り上がったのは多くのF1ファンの方々も一緒だったのではないでしょうか。
5年目という立派なF1キャリアがあって、さまざまな状況に対応できる経験もある角田選手ならやってくれるだろうと期待しました。しかし現実は厳しかった。
これまで、何人も日本人F1ドライバーを撮影してきました。
ほとんど皆、エンジンやメカニカルトラブル、チームの作戦ミス、不運などがなんでこちら側だけ続くのか、ときどきは自分のドライビングのミスもありました。いや、クヨクヨしていても仕方ないから次のレースこそは! というように、今年の角田選手が戦っていくレースとほとんどデジャブかというほど全く同じような状況であっという間に1年が過ぎていくんですね。
これは、日本人だから日本人のドライバーを応援したくてより細かく見ているからそう感じるんだと思うんです。
全ドライバー、それぞれ、そのチーム内で本当にいろいろあるんです。その中で、厳しい中でもなんとか結果を出すドライバーが次の契約も勝ち取れるわけです。もちろん、応援してくれる大きな企業さんの後押しも有効な助けになりますけどね。そうとうタフな世界であることは確かです。
でもそのような世界だからこそ、憧れや尊敬を持って見てもらえるし、多くの人が魅力的な世界だと感じてもらえるのではないでしょうか!
さらに強くなって角田選手には戻ってきてほしいし、次の日本人ドライバーにもなる早で来てほしいと切に思います。
土曜日のスプリントレースの1周目。フェルスタッペン選手に順位を譲って5位でレースを終えました。いい仕事ができたのではないでしょうか。
しかし予選ではまさかのQ1敗退、16位となってしまいました。これまで何度もあった、グリップ不足、タイヤの適切な温度を得られなかったということ。
優勝はフェルスタッペン選手。マクラーレンのマシンの圧倒的パフォーマンスを作戦ミスということで帳消しどころかマイナスにしてしまったレースをしっかりとしたストラテジーと、フェルスタッペン選手のミスないドライビングで見事優勝を勝ち取りました!
表彰台にはストラテジー担当のハンナさんが登壇。嬉しそうな表情が素敵でした。
2021シーズンのアブダビで奇跡的とも言えるチャンピオン獲得というあの現場で得た感動にもう一度出会えるのか、ホンダとの最終レースでもあります。
さて、チャンピオンチームマクラーレン。こんな大事なときに、ミスをしてしまう。セーフティーカー導入時、数十秒で決断しなければいけない状況で2台のステイアウトを選んでしまった。
後になってしまえば、なんであのときに……となってしまうのですが、チーム全体に大きなプレッシャーがかかっているわけですし、人間がやることですからね、間違いも起こり得ます。
マシンパフォーマンスはカタールでも圧倒的でした。ノリス選手、ピアストリ選手両方にチャンピオンの可能性があるわけですし、有利にことが進められる状況にはあるんですよね。
でも、ベガスでの両者失格、今回の作戦ミスということで、フェルスタッペン選手の勢いだけが目立ちます。
冷静になってみれば、ノリス選手がアブダビで3位以上に入れば自動的にチャンピオンとなるわけですから、依然として有利な立場にいるわけです。
しかし、そのプレッシャーは半端ない状況です。
外から見ているわれわれとしたら、最終戦でチャンピオンが決定するというのはありがたい状況です。
さあ、どうなるか見てみましょう!
3位にはなんとサインツ選手! 素晴らしいです!
ウイリアムズの5位も確定という快挙です。
ハース、残念ながら流れに乗れず、無得点に終わってしまいました。
小松代表の多忙さは日を追うごとに、どんどん増しているように感じます。その多忙さを外から見ていると心配になる程ですけれど、ハースというチームを前進させるために動いている様子は非常に頼もしく感じます!
最終戦はポイント取らなきゃ!
不調なフェラーリ&ハミルトン選手。
どこの国に行っても大人気なのは変わりませんが、速さと強さが見えません。予選18位、レース12位。
ルクレール選手、予選10位、レース8位。ポイント取れるか取れないかというフェラーリ。厳しい。
予選でのアタックラップのスピンを連続写真でどうぞ。
ギリギリのアタックが失敗してしまった感じです。
タイヤが破損してしまうという問題で、レース中の最大周回数が25ラップに制限されました。
その原因が、コース上に出てしまった砂利ではないかという疑惑。見てみると、普通の砂利。鋭利な尖った石には見えないけれど、タイヤに踏まれて割れると鋭利な角ができる石なのかな??
レースポジションを最終周にノリス選手に譲ったという話が持ち上がって、SNSでも話題になっています。
アントネッリ選手にしてみれば、そんなわけないじゃんと思っていても、一度拡散され始めると、面白いと思った方などによって、マイナス方向にどんどん拡散が始まります。どうか、冷静な判断でSNSを楽しんでほしいと思います。
キミと写真撮ったよ! って感じでSNS楽しみましょう!
会長の周りには、全員女性・・・忙しいの?かな。
ザウバーの活躍も今年のトピックスですよね。ドライバー2人のパフォーマンスも素晴らしい。
アストンマーティンのチーム代表にニューウェイさん。
でも、ニューウェイさんの仕事とチーム代表の仕事は違う分野ではないかと思うのですが、どうなんでしょう?? チーム代表をやりたいと思う人ではないと勝手に思っていたのでびっくりな人事です。
ツルピカカラーリングで好きだったアストンマーティンのカウル部分がツヤ消しになっていて残念……。ノーズとかはそのままツヤありなんですけどね……。
なんで??
木曜日の夜は、パドックでディナー会。僕もいただきました。助かります。
カタール、僕はこの2年ぐらいここのGPはお休みしていました。
なぜならば、撮る場所がない、絵になるところが少ない、遠い、フラット……。今年来てみて、やっぱり同じように思いました。
でも施設が立派になっていたり、メディアセンターも立派になっていて、コース脇のペイントもされていたりしていましたけど、絵になるサーキットかと言われると、やっぱり難しいかな……。
カタールの街中、高速道路は、ランクルみたいな4輪駆動のデカイクルマが圧倒的に多い。日本で盗難されてここで走っているんじゃないのと思うくらい、多い。
しかも白、暑いから白なんだと思うけどね。
しかも、運転のオラオラ比率が素晴らしく高い。ウインカーは出さない、煽る、品がない。
それを抑止するために、速度取り締まりのカメラがものすごく多い。中東な感じですね。
今回のレンタカー。Kiaです。昭和な乗り心地。
さて、いよいよ2025シーズンの締めくくりアブダビGP。チャンピオン争い、角田選手のラストレース。ハースのコンストラクターズ順位、レッドブル&ホンダのラストレース。しっかりと準備して撮影したいと思います。