マツダの「"ちいさな"スポーツカー」! 「ポルシェ」級スペックの「ロータリー」エンジン搭載モデル! 全長4.2m級の「ちょうどいいサイズ」もイイ「アイコニックエスピー」とは
マツダが2023年のジャパンモビリティショーで世界初公開した「アイコニックSP」。ロータリーEVシステムを搭載したこの美しいスポーツカーとは、いったいどのようなモデルなのでしょうか。
ちいさなロータリースポーツ
華やかなモーターショーの会場で、来場者の視線を釘付けにするコンセプトカーがあります。今回はその中から、2023年にマツダが提案した次世代のスポーツカー「マツダ・アイコニックSP」を振り返ります。
本車両が世界初公開されたのは、2023年10月に開催された「ジャパンモビリティショー2023」でのことでした。
アイコニックSPのコンセプトは、「”クルマが好き”という純粋な気持ちと、カーボンニュートラル社会への適合を両立させる””新しい時代のコンパクトスポーツカー”」です。
企業理念である「前向きに今日を生きる人の輪を広げる」を具現化し、単なる移動手段ではない「愛する対象(アイコニックな存在)」となることを目指して開発されました。 発表当時、美しいデザインと”ロータリーエンジンの活用”というトピックが大きな注目を集めました。
現在でもSNSなどでは、そのスタイリングを称賛する声や、市販化を期待する声が数多く見られます。エクステリアは、極限まで低く抑えられたボンネットフードと、現代的な解釈を取り入れたヘッドライトが開くギミックが特徴的です。
ボディカラーには、コンセプトカラーとして「ヴィオラ・レッド」を採用しています。これは「赤」を大切にするマツダが、鮮やかさと深みを追求して生み出した新しい赤です。
インテリアは、外装の赤と対比させる「インディゴ・ブルー」を基調とした落ち着いた空間です。シート素材には広島の名産である「デニム」由来の藍染めコットン糸を使用した3Dニットを採用しました。
さらに白いパーツには、同じく広島名産の「牡蠣」の廃棄される殻から作られたバイオ素材を使用するなど、環境配慮と”メイド・イン・ヒロシマ”の地域性を融合させたサステナブルな素材選びも特徴です。
ボディサイズは全長4180mm×全幅1850mm×全高1150mm、ホイールベースは2590mm。車両重量は1450kgです。
マツダ「ロードスター(ND型)」よりは一回り大きいものの、全高は現行スポーツカーの中でも際立って低く設定されており、コンパクトで引き締まったパッケージングを実現しています。
パワートレインには「2ローター・ロータリーEVシステム」を採用し、エンジンは発電用として活用します。
駆動方式はモーター駆動で(駆動輪については未発表。SNSなどでは後輪駆動と推測する見方がある)、システム最高出力は370PSを発揮。レイアウトにおいては、軽量・コンパクトなロータリーエンジンを車体中央部に寄せて搭載することで、前後50:50の重量配分を実現するとしています。そのパフォーマンスについて代表取締役社長兼CEOの毛籠勝弘氏は、2024年1月に開催された東京オートサロン2024で「ポルシェ『911』相当のパフォーマンスを秘めている」と言っていました。
装備面では、大容量バッテリーを搭載しているため、屋外レジャー時や災害時の電力供給が可能です。また、搭載されるロータリーエンジンは、水素など様々な燃料の利用を想定した拡張性の高い「マルチ燃料対応型」となっています。
アイコニックSPの走りを支えるのは、徹底した低重心化とヨー慣性モーメントの低減です。重いバッテリーやモーター、そしてコンパクトなロータリーエンジンを車体中央の低い位置に集約することで、マツダが掲げる「人馬一体」の走りを実現することを目指しています。
非常に魅力的な提案が詰め込まれたアイコニックSPですが、2025年現在、マツダから本車両の量産化に関する公式な発表は確認できません。
しかし、そのデザイン思想や「ロータリー×電動化」という方向性は、今後のマツダブランドを象徴するアイコンとして位置づけられています。
純粋に走る楽しさを追求した”次世代のロータリースポーツ”が、はたしてどのような形で公道を走ることになるのか、期待せずにはいられない一台といえるでしょう。
自動車・交通分野を専門とするフリーライター。自動車系Webメディア編集部での長年の経験と豊富な知識を生かし、幅広いテーマをわかりやすく記事化する。趣味は全国各地のグルメ巡りと、猫を愛でること。