吉利と比亜迪の中南米投資計画、中国政府が承認先延ばし=関係筋

中国政府は、吉利汽車 と比亜迪(BYD)がそれぞれ計画する中南米での自動車生産について、承認を先延ばししている。事情に詳しい関係者2人が明らかにした。写真はBYDの電気自動車。3月に撮影(2025年 ロイター/Stephane Mahe)

[11日 ロイター] - 中国政府は、同国の自動車メーカー、吉利汽車 (GEELY.UL)と比亜迪(BYD)(002594.SZ), opens new tabがそれぞれ計画する中南米での自動車生産について、承認を先延ばししている。事情に詳しい関係者2人が明らかにした。トランプ米政権の関税政策と経済の先行きを巡る不透明感が背景にある。
吉利とフランス同業ルノー(RENA.PA), opens new tabは2月、吉利がルノーのブラジルにある生産施設を利用するとともに、ブラジル子会社の少数株を取得することで合意したと発表した。

BYDは2023年にメキシコ工場を建設する計画を発表し、昨年、24年末までに建設地を発表するとしていた。

しかし政府の承認に予想以上に時間がかかっている。中国の国家計画担当者は両社代表に対し、それぞれのプロジェクトに技術移転のリスクがあると伝えたが、詳しい説明はなかったという。

また中国の自動車業界団体の関係者は両社に対し、トランプ氏の関税は世界貿易と経済に不確実性をもたらすため、投資のリスク・リターンが複雑化すると注意を促した。

関係者の1人は、当局は中国自動車メーカーの海外投資に厳格かつ慎重になっているが、申請受け付けを完全に停止するほどではないと説明した。

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