「中国に比べ入りやすい」大学受験で訪日の中国人が増加 留学費用“安”・治安“良”で人気 都内に予備校も“乱立” “東大ブランド”で箔をつける

東京都内に乱立する中国人向けの予備校。 今、大学受験のために中国から日本を訪れる若者が急増しているというのです。

中国人留学生: (中国は)受験生が多すぎ。中国に比べて(日本の大学は)入りやすい。

25日から、東京大学など全国の国立大学で2次試験の前期日程がスタート。 試験会場では両手を組み、祈るようなポーズをとる受験生も見られました。

受験生の中にいた中国人女性は、東大を目指す理由を「中国の大学に進学するときは、受験が難しすぎる。日本のトップの大学に進学したい」と明かしました。

日本の難関大学を受験する彼らの多くが、中国の受験戦争から逃れてきたというのです。

そこで、「イット!」取材班が向かったのは、東京・新宿区の高田馬場です。

ずらりと並ぶ、留学生向けの塾の看板。 駅周辺は、中国人向けの日本語学校や予備校がひしめき合う激戦区となっていました。

約1200人の生徒が通う予備校。 これまでに100人以上を東大に送り出しているといいます。

生徒たちが机にかじりついて取り組んでいたのは、日本語の勉強です。

授業の教材: 「なぜですか?」という質問をしすぎないようにすることです。「なぜですか?」とたびたび聞かれると、追い詰められている気持ちになって話をしたくなくなる可能性がある。

日本の大学に入るため、こうして1年間予備校に通い、受験に備えます。

中国人留学生: 大学を選ぶとき一番重要なのは、いま何か勉強をしたいものがあるか、そしてそれを決めてから大学を選んだ方がいい。

日本は欧米に比べて留学費用が安く、治安も良いため、中国の若者に人気だといいます。

留学生: 日本で働きたい。ひとつめ教師、ふたつめは文学の翻訳家。

彼らが日本の大学を目指す理由は、もう1つありました。

取材に対し、「(中国と日本、どっちが大学に入りやすい?)日本です。(日本の受験は)厳しくないと思う」「中国の激しい受験に参加したくない。日本はもっとチャンスが多い」と話す中国人留学生。

中国での過酷な受験戦争を逃れ、日本の大学に進路を変える若者が増えているというのです。

啓程教育グループ・李旭代表取締役: 圧倒的に(中国人の)受験生は日本人の十倍以上いる。名門大学は日本の方が入りやすい。

中でも“東大ブランド”は別格のようで、大学ジャーナリストの石渡嶺司氏は「中国人の間でも、東京大学が日本トップクラスの大学だと認識されている人が非常に多くいる。東大の出身ということは、中国に戻ってもかなり箔(はく)がつくと言われている」と指摘しました。

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