ダイハツ新型「ムーヴ」とスズキ6代目「ワゴンR」を比べてみてわかったことは各社のこだわり!
つい数日前に発売されたダイハツ超最新の7代目ムーヴと、2017年に発売され基本8年が経過した6代目ワゴンRとを比べてみるのもちょっと気が引ける気もしなくもないが、ワゴンRはその8年の間に年次改良を重ね、現在は4型となっている(ここでは2017年2月1日に発売されたデータと画像を中心に進めていく)。
スズキ・ワゴンRは8年経過したとは思えないスタイルを持つ 奇をてらわないスッキリスタイルともいえるワゴンRワゴンRは2017年2月1日の発売当初、直3 NAとそのマイルドハイブリッド、2WD/4WDのCVTをリリース。その後4月20日に福祉車両ウィズシリーズに昇降シート車を追加。8月23日、FAグレードに5MT仕様を追加。2018年9月10日、ハイブリッド車に「ワゴンR 25周年記念車」を発売。2020年1月20日には新CVT搭載、衝突被害軽減ブレーキなどの安全性能を充実させた一部仕様変更を実施。2021年、丸目が可愛いスライドドア装備のワゴンRスマイルを発売(私イチ押しはスマイルだがここでは省く)。2022年8月30日、一部仕様変更とともにカスタムZを追加。
2023年10月12日、一部仕様変更。
という流れを歩んできたワゴンR。
一方、新型ムーヴは各部に“いまどき”装備がてんこ盛りだ。なんといっても全グレードに標準装備のスライドドアは子育て世代の軽自動車はもとより、ミニバン系では使い勝手の良さで一番のありがた装備。リリースでも一番の推しドコロである。
そのスライドドアにはタッチ&ゴーロック機能、ウェルカムオープン機能、スライドドアイージークローザーと機能満載(※この特別機能は標準だったり片側のみだったりメーカーオプションだったりもする)。
次期ワゴンRにスライドドアは登場するのか?…楽しみだ!
まずは価格を比べてみた。ムーヴは135万8500円~202万4000円。ワゴンRは129万6900円~158万6200円(※2025年6月5日現在/カスタムZとスティングレー除く)。
ワゴンRには、直3 NAのFXと、+マイルドハイブリッドが設定される(カスタムZとスティングレーは+マイルドハイブリッドのみ)。ムーヴには、直3 NAと、ターボ仕様のRS。…8年前のワゴンRのほうに今どきの電動アシストが設定されているのが面白い。最新ムーヴのパワーアシストはターボ(RSに設定)。なぜ電動アシストは設定しなかったのか? それは価格を抑えるためであり、しかし今後ユーザーの声を聞いて…という説明もあった。
下の表は2車の主な諸元を比べてみた。2WD/過給ものなし/CVT同士だ。
【ムーヴ/ワゴンR主な諸元比較】 ムーヴ X 2WD/CVT ワゴンR FX 2WD/CVT 全長(mm) 3395 3395 全幅(mm) 1475 1475 全高(mm) 1655 1650 ホイールベース(mm) 2460 2460 トレッド 前/後(mm) 1300/1295 1295/1300 地上高(mm) 150 150 車両重量(kg) 860 750 エンジン 直3 DOHC 直3 DOHC 排気量(cc) 658 657 エンジン出力 (kW[PS]/rpm) 38[52]/6900 36[49]/6500 エンジントルク (N・m[kgf・m]/rpm) 60[6.1]/3600 58[5.9]/5000 JC08モード (km/L) 25.3 26.8 WLTCモード (km/L) 22.6 24.4 燃料タンク容量 (L) 30 27 駆動方式 FF FF ブレーキ (前/後) ベンチレーテッドディスク/リーディングトレーリング ディスク/リーディングトレーリング サスペンション (前/後) マクファーソンストラット式コイル/トーションビーム式コイル マクファーソンストラット式コイル/トーションビーム式コイル タイヤサイズ (前後共) 155/65R14 75S 155/65R14 75S ムーヴとワゴンRの主な諸元比較。ここではお互い2WD/過給機なし/電気ものなし/CVTを比較したデザイン…これは個々の好み。ただ言えることは、“8年経ってもワゴンRは見劣りしない!”だ。いい意味、奇をてらわないスタンダードっぽいからこそ古さを感じさせないのかもしれない。あまりデザインがガツガツし過ぎると見飽きるから…なのかも。
ムーヴもしかり。個性を出しつつ、ムーヴ顔は継承、“端正で凛々しいデザイン”と推している。
ムーヴとワゴンR、同じ人生(車生?)を歩んでいるようなこの2台はお互いを高めていく、そんなライバル車に見える。
ワゴンRは基本?のワゴンRと、その派生となるドレスアップ版のカスタムZとスティングレーというラインアップ。小さいボディだからこそ、ちょっとの違いで個性があふれ出す代表のような感じだろうか。まぁ選ぶコッチのほうが大変なのだが…!
ムーヴはというと、いままでカスタムという別グレードを設定していたが、新型では基本?のスタイルに、メーカーオプションとディーラーオプションを組み合わせて個性を出すアナザースタイルとして、“ダンディスポーツスタイル”と“ノーブルシックスタイル”を設定している。
キラキラ感を抑えダークメッキを基調とした大人のダンディスポーツスタイルと、流行りを見せるカッパー色(銅)の加飾で大人の上品・上質さを強化したノーブルシックスタイル。
今後、このアナザースタイルがどうユーザーにチョイスされていくのか? 市場チェックも楽しみだ。
駆け足ではあったが、ダイハツ新型ムーヴとスズキ6代目ワゴンRの見た目の違いを画像と共に見てきた。内外装デザインはやはり個人の好みだし、当たり前のように最新ムーヴはらしさを生かして洗練されている。しかし8年経過のワゴンRは驚くほどに古さを感じさせないさすがのハイトワゴンの老舗! 実際の使い勝手や乗ったうえでの比較(試乗会)はまだ先になるけど、この2台、気になる方はディーラーで直接見て感じてもらえたらと思う。