高市VS習近平、習近平が世界各国へ送る秋波…中国の対日圧力の行方は?(Wedge(ウェッジ))

 2月10日付けウォールストリート・ジャーナル紙は「日本の総選挙は中国の圧力が逆効果となり得ることを示した」との解説記事を掲げ、高市早苗首相の台湾発言への中国の圧力は逆効果だったが、中国に近い日本や台湾には大国関係をヘッジする余地が限られている、と解説している。概要は次の通り。  昨年の台湾発言以降、中国は高市首相を罰そうとしてきた。高市首相が、もし中国が武力で台湾を併合しようとすれば日本も紛争に巻き込まれる、と発言した後、中国は経済的報復と日本の安全悪化を脅したが、それは逆効果だった。高市首相はコメントを取り下げず、2月8日の選挙で地滑り的な勝利をした。  保守派の高市は、米国との関係を一層緊密化すべく防衛費を増額する可能性が高いが、それは中国をさらに怒らせるだろう。  中国は、将来の台湾を巡る紛争で日本が自衛または同盟国防衛のために関与する可能性があるという11月の発言に激怒した。中国指導部は経済報復と外交的抗議をし、第二次世界大戦時の軍国主義の再来と呼び、猛烈な反高市宣伝をした。  中国の外交官は日本が突っ込んできた汚い首は切り落とすしかないと脅した。中国は日本への観光旅行をキャンセルし、日本企業が必要な希少金属や磁石へのアクセスを制限した。  しかし、中国は他国に同じ立場をとらせることに失敗した。高市は中国に立ち向かい、中国の真の姿を広めることに成功し、中国の対日批判を支持した国は皆無だった。  中国の圧力は続くだろう。選挙後、外交部報道官は、選挙では何も変わらず中国は高市の間違った発言の撤回を目指すと発言した。  日本の有権者は中国の虐めに立ち向かう指導者を支持した。中国の経済報復で、国民は高市が警告していた中国への過度な経済依存リスクを正に味わった。新政権は対中経済関係をさらに弱めるだろう。

 中国は自国の利益を害する国に厳しく対抗してきた。2017年に韓国が米国のミサイル防衛システム設置を始めた際、中国は韓国からの輸入を幅広く制限。20年に豪州首相がコロナウイルス起源の独立調査を呼び掛けた際は、幅広い豪州製品を輸入規制した。  昨年中国は、レアアース対米輸出を制限し自動車産業等の生産を阻害したが、それはトランプ政権の対中関税低下につながった。最近中国は世界各国に、「台湾は中国の一部でいずれ再統一されるべき」とする中国の主張を受け入れるよう圧力を強化してきた。  国連では、台北の議席を中国が占めることを可能とした1971年決議は台湾への中国の主張を国際社会が認めたことを意味すると中国は主張している。中国が台湾に対する主張への支持を友好国との共同声明に記入する機会が増えている。  中国の圧力への高市の抵抗は中規模国が大国の圧力から身をかわす際に参考になる。1月にダボスでカナダのカーニー首相は「主張を受け入れ、従属すれば、安全が手に入ると期待する傾向があるが、そうはならない」と述べた。同盟国に関税を課し領土譲渡を求めるトランプ大統領の強硬な外交・経済政策を受けカナダ・英国等は中国との限定貿易合意を選択したが、中国と緊密な貿易・投資関係を持つ一方、安全保障の脅威を受けている国は妥協の余地が限定的だ。  台湾と日本は中国の世界的野望の最前線にいる。トランプ政権の不確実性ゆえに各国はヘッジをしているが、中国至近の国々には難しい。 *   *   *

Wedge(ウェッジ)
*******
****************************************************************************
*******
****************************************************************************

関連記事: