ゼレンスキー氏は笑うのか? EU揺るがすハンガリーで総選挙
毎日新聞 2026/4/12 12:00(最終更新 4/12 12:00) 有料記事 2081文字
街の至る所で目にする、ウクライナのゼレンスキー大統領の顔をあしらったポスター。「最後に笑うのがゼレンスキーであってはならない」と書いてある=ブダペストで2026年3月17日午後2時54分、五十嵐朋子撮影
3月中旬に東欧ハンガリーの首都ブダペストを訪れると、建物の外壁からバス停の広告スペースまで、街の至る所に、見慣れた人物のポスターが張り巡らされていた。笑顔で写るその人物はウクライナのゼレンスキー大統領だ。顔写真の下にはハンガリー語で大きくこう書かれていた。
「最後に笑うのがゼレンスキーであってはならない」
<主な内容> ・「EU内で最も腐敗した国」 ・ゼレンスキー・ポスターのわけ ・オルバン首相を追い込む野党党首 ・「戦争」との距離感 関連記事があります。
ポスターは4月12日の総選挙(1院制、定数199)を前にハンガリー政府が設置した。オルバン・ビクトル首相(62)が、自らが率いる与党の中道右派「フィデス・ハンガリー市民連盟」への支持を訴えるために作製したものだ。
「腐敗の国」で変化の兆し
ハンガリーは人口約950万人で、国内総生産(GDP)は加盟する欧州連合(EU)全体の約1%にとどまるものの、EUの足並みを乱す「厄介者」としてその存在感を高めてきた。
2010年から16年にわたって強権的政治を推し進めてきたオルバン氏は、ロシア寄りの立場で知られる。ロシアの侵攻にあえぐウクライナへのEUの支援策にたびたび反対したほか、EUが禁輸を決めたロシア産原油について、例外措置を認めさせ、現在も輸入を続ける。
汚職体質も指摘され、世界の汚職を監視するNGO「トランスペアレンシー・インターナショナル」は今年2月の報告で、ハンガリーを「EU内で最も腐敗した国」と位置付けた。
だが、そんなハンガリーで変化の兆しが見られる。
総選挙まで1カ月を切った3月15日、ブダペスト中心部の広場で、保守系野党「ティサ(尊重と自…