(まとめ)日経平均は736円高の52,252円、3日ぶりに反発もイラン情勢の不透明感が引き続き重し

2026/03/24

日経平均は前日比865円高の52,380円で上昇して寄付きました。トランプ大統領がイランの発電所への軍事攻撃を5日間延期すると表明し、イラン情勢をめぐる過度な懸念が後退したことで、一時は1,000円超高となりました。しかし、その後は原油先物価格が再び上昇したことで上げ幅を縮小。前日比394円高の51,910円で午前の取引を終えました。 後場も買い戻しは入りつつも、上値の重い展開となりました。中東情勢の混乱に伴う原油の供給不安が長引くとの懸念は根強く、最終的に前日比736円高の52,252円で大引けとなりました。

TOPIXは73ポイント高の3,559ポイント、新興市場では東証グロース250指数が19ポイント高の724ポイントでいずれも反発しました。

2.個別銘柄等

東京海上ホールディングス(8766)は終日買い気配が続き、ストップ高水準となる前日比1,000円(17.1%)高の6,857円で引けました。23日に米投資会社バークシャー・ハザウェイとの資本業務提携を発表したことが材料視され、4月に同社から2.5%の出資(2874億円)を受けるほか、保険会社などを対象とした共同M&Aや再保険分野での連携を進める方針です。あわせて自社株買いも発表しており、再保険市場の拡大を背景とした海外展開強化や収益拡大への期待から買いが膨らんでいます。PER(株価収益率)は日経平均を下回り、割安感も意識されています。 日本板硝子(5202)も終日買い気配が続き、ストップ高水準となる前日比80円(19.8%)高の485円で引けました。銀行団や投資ファンドから総額3000億円の支援を受けて非公開化する方針と報じられたことが材料視され、株式併合を通じて既存株主から株式を買い取る見通しです。買い付け価格は1株500円と伝わっており、これにさや寄せする形で買いが集まりました。資金調達は米アポロ・グローバル・マネジメントを引受先とする第三者割当増資や銀行団による債務の株式化で行い、財務改善後に非公開化を進める計画です。会社側も非公開化の検討を認めており、詳細は本日24日の取締役会で決議予定とされています。 日本特殊陶業(5334)は前日比397円(5.6%)高の7,466円と反発しました。2026年3月期の連結純利益(国際会計基準)が前期比25%増の1160億円と、従来予想から一転して増益見通しとなり、市場予想も上回ったことが好感されました。売上収益は11%増の7240億円、営業利益は6%増の1370億円にそれぞれ上方修正しており、米関税政策の影響が想定より軽減したことや円安進行が寄与しています。期末配当も1株112円と従来計画から引き上げました。一方で、市場では上方修正要因の一部は一過性との見方もあり、今後の株価上昇には主力以外の事業成長が課題との指摘も出ています。 任天堂(7974)は前日比448円(4.7%)安の8,984円と後場に下げ幅を拡大しました。家庭用ゲーム機「スイッチ2」の2026年1-3月の生産を最大200万台引き下げると報じられたことが嫌気され、売りが優勢となりました。米国での年末商戦の販売が伸び悩み、当初計画の約600万台から約400万台へ減産する見通しとされています。新作ソフトの販売不振も影響したとされ、減産は4月以降も続く可能性があります。市場では販売鈍化に加え、米関税政策やメモリ価格上昇による収益圧迫への懸念も意識されています。

富士通(6702)は前日比75円(2.3%)高の3,343円と反発しました。欧州で防衛事業を担当する人員を2030年代に現状比2倍の2000人規模に増やすと報じられ、サイバーセキュリティーやデュアルユース関連技術の拡販による収益機会の拡大期待から買いが優勢となりました。NATO加盟国の防衛費拡大を背景に、防衛ビジネスの中長期的な成長が意識されています。株価はこれまでAIによるソフト需要減退懸念などで下落基調にあり、直近で約8ヶ月ぶりの安値をつけていたことから、押し目買いも入りやすい状況となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

日経平均は、トランプ政権によるイラン攻撃の延期を受けて買い戻しが入り反発しました。ただ、米国に加えてサウジアラビアやUAEの関与観測も浮上しており、中東情勢の不透明感はむしろ強まっています。軍事行動のタイミングは後ずれしたものの、イランによる報復や周辺国の動き次第では再びリスクオフが強まる可能性があり、地政学リスクは引き続き市場の重しとなりやすい局面です。

明日も関連報道に左右され、相場は上下に振れやすいボラタイルな展開が続きそうです。

(マネックス証券 暗号資産アナリスト 松嶋 真倫)

関連記事: