木星の衛星エウロパ、100万人が呼吸できる酸素を生成していると判明
2024年3月8日の記事を編集して再掲載しています。
もしや大発見につながる…?
人類は地球外知的生命体の存在を発見すべく、これまで数々の惑星探査を試みてきました。なかでも木星の衛星エウロパには、地表面を覆う氷の下に液体の水があるとされ、二酸化炭素の存在まで明らかに。そして豊富な酸素の存在を突き止めたという研究発表も成されましたよ!
毎日1000トンもの酸素が生成されている!
NASAは木星探査機Juno(ジュノー)を、エウロパの観測に向かわせていました。ジュノーにはJADE(Jovian Auroral Distributions Experiment)という観測装置が搭載され、その解析結果がこの「Nature Astronomy」に掲載されています。
そこで明かされているのは、木星の周囲の荷電粒子がエウロパの地表面の氷に衝突すると、水素と酸素が生成されているという事実。驚くべきことに、酸素の生成量は24時間ごとに1000トンと推定されています。これは単純計算で100万人が呼吸するのに足る量だということですね。
生命体が作られるには…?
ちなみにこの生成量だけを聞くと、ものすごい酸素がエウロパにあるのでは?
そう思いがちですが、実は科学者たちは本来もっと多くの酸素がエウロパで生成されていると考えていました。当初の推定量では、毎秒1000トンの酸素がエウロパで生成されていると期待がかけられていたんです。
日に1000トンの酸素というと、毎秒26ポンド(約11.8kg)という生成量に換算されます。確かに毎秒1000トンの酸素という期待値よりは低いですが、でも決して少なくはない酸素がエウロパに存在していることになるでしょう。この酸素が氷の下にあるとされる液体の水にも存在していれば? 生命体の発見への期待はかなり高まりそうです。
なお、すでにジュノーはエウロパを離れており、次なるNASAの観測は、2030年に到達が予定される「Europa Clipper」に委ねられる予定。欧州宇宙機関(ESA)もやはり2030年代に「JUICE」を飛ばし、エウロパの観測が続けられます。これからどんな新発見が成されるのか? もう楽しみな限りですよね~。
Source: Nature Astronomy