見直される日本ならではの「国産チーズ」 コンテストの出品作は過去最多

寒い冬場に需要が高まるチーズ。円安の影響で輸入価格が高騰しており、国産チーズの魅力が見直されている。国内のコンテストでは、出品作の数が過去最多に上り、個性豊かな「日本ならではの味」に熱い視線が集まった。 【写真】コンテスト2冠の女性チーズ職人 一躍時の人に 2年に1度開かれる「ALL JAPAN ナチュラルチーズコンテスト」。15回目となる昨年10月の大会には、全国121軒の工房から過去最多となる284点が出品された。グランプリの農林水産大臣賞には、「山田牧場 カーサビアンカ」(滋賀県甲賀市)のラクレットが選ばれた。 ラクレットはスイス、フランスの伝統的なチーズ。審査員の一人であり、フレンチの名店「レストラン パッション」(東京都渋谷区)の総支配人、パトリック・パッションさん(53)は、こう評した。 「香りをかいだ瞬間、フランスにパッと飛んだ感覚がした。マイルドで優しく、口にしたら結晶化したうまみが広がった。まさか、日本でこんなチーズができるとは思わなかった」 一方で、グランプリに輝いた山田牧場代表、山田保高さん(77)も受賞の感想に口をそろえた。「まさか、という気持ちです。あくまでも本業は酪農ですので」 創業百余年の山田牧場は、「陶芸のまち」として知られ、自然も豊かな信楽(しがらき)町にある。約170頭の牛はつながずに、自由に歩き回れる「フリーバーン牛舎」でストレスなく、のびのびと育てている。 搾りたての新鮮な牛乳を場内にある工房へ。山田さんいわく、「あまり牛乳を傷めることなく、チーズ作りの工程に入れるのが利点です」。 ■コクやうまみが重なって変化 ラクレットは断面を熱にかざして溶けたところをナイフでそぎ、ジャガイモなどに絡める料理でおなじみ。同牧場産はクセがなく、生のままでも味わえるのが特長だ。山田さんは「日本ならではの味を目指すうちに、ミルクの味と香りをうつしたようなチーズに、自然となった」と語る。 薄く切って口に運ぶと、滑らかでほのかな甘みを感じる。優しい味わいが、嚙(か)むごとにコクやうまみが重なって変化していく。 この奥深い味を生み出す秘訣(ひけつ)を、同牧場で働く三女の倫子さん(44)が教えてくれた。「同じ熟成庫で滋賀特産、ふなずしの周りに付いた飯(いい=ご飯)を使って乳酸発酵させるチーズも寝かせています。その菌も付着し、うまみがプラスされているのかもしれません」

産経新聞
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