Aぇ! group正門良規が初のシェイクスピア作品で女性役に、森新太郎演出舞台『十二夜』上演決定

2025.07.13 04:00

2025.07.13 04:00

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正門良規(Aぇ! group)の主演舞台『十二夜』が10月から東京グローブ座、その後11月に大阪・森ノ宮ピロティホールにて上演されることが決定した。

シェイクスピア喜劇の中でも最高傑作と名高い『十二夜』は、ヴァイオラの男装から始まるもつれた恋の三角関係を描いた物語。船が嵐に遭遇し双子の兄と生き別れた妹・ヴァイオラは、生き延びるために男装し「シザーリオ」として公爵オーシーノに仕えることになる。ヴァイオラはオーシーノに密かに恋心を抱くものの、オーシーノは伯爵令嬢オリヴィアに夢中だった。オーシーノはヴァイオラを使者に立てて自らの想いを伝えさせようとするが、オリヴィアは男装したヴァイオラに一目惚れしてしまう。

今回演出を担当するのは、舞台『ジュリアス・シーザー』(21)や『バンズ・ヴィジット 迷子の警察音楽隊』(23)、『夜叉ヶ池』(23)や『ヴェニスの商人』(24)など古典から現代劇、ミュージカルまで幅広く演出を手がける森新太郎。翻訳は2021年に全戯曲の個人訳による「シェイクスピア全集」を完成させ、その功績により菊池寛賞、朝日賞など多数の賞を受賞した松岡和子が務める。さらに作編曲・音楽監督は『100万回生きたねこ』『虹のかけら~もうひとりのジュディ』など多数の舞台・ミュージカル作品での生演奏や『らんまん』『虎に翼』などの映像作品の録音参加のほか、アルバム『Ocean portraits』をリリースするなどジャンルや形態を問わず幅広く活動するBUN Imaiが担当する。

そして主人公・ヴァイオラを演じるのは、連続テレビ小説『スカーレット』(20)や主演舞台『Touching the Void タッチング・ザ・ヴォイド〜虚空に触れて〜』(24)、映画『グランメゾン・パリ』(24)など俳優として際立った存在感を放つ正門良規。森新太郎とは舞台『ヴィンセント・イン・ブリクストン』(22)以来の2回目のタッグとなり、性別にとらわれず自由な発想で俳優が演じるという演出プランのもと、正門が女性のヴァイオラ役に挑む。

本日解禁されたイメージビジュアルは、『十二夜』の世界観を彷彿とさせる一枚。シェイクスピアの喜劇の最高作を森新太郎の演出でどのように描かれるのか、期待が高まるビジュアルとなっている。

森新太郎/演出 コメント十二夜とは、クリスマスから数えて十二日目の夜のこと、長い祝祭シーズンの最後の夜にあたります。人々のどんちゃん騒ぎはピークに達し、かなりの無礼講が許されたそうです。この時ばかりは社会に引かれたさまざまな境界線が忘れられ、そこは束の間、混乱に満ちた解放区となりました。『十二夜』というお芝居は一言で言って、混乱の喜劇です。登場人物の多くがアイデンティティ・クライシスの沼にはまります。自己喪失。思うにシェイクスピアがすごいのは、自分が自分でなくなることの不安だけでなく恍惚感も描いたところです。さらには、自分がふたたび自分になることの喜びだけでなく、その寂寥感も。人間という生き物は実にややこしい。我々は笑いながら、舞台上に我々の姿を見つけることでしょう。正門良規にはシェイクスピアをやらせたいとずっと思ってきました。一本気で、心優しく、たまに天然な正門良規にぴったりな役は——ヴァイオラしかありません。恋に身を焦がす男装のお姫様です。エリザベス朝の時代には、少年俳優がこれを演じました。すなわち男子が女子の役を演じ、重ねてその女子が男子の役を演じたわけです。この境界線の曖昧さこそがまさに『十二夜』です。

今回は、彼に限らず他の俳優の何人かにも性別が逆の役を演じてもらいます。グローブ座という自由空間に、これまで以上にカオスな解放区を出現させたい。混乱をたくましく笑い飛ばしていきたい。ヴァイオラの台詞を借りるなら「時、所、運命のすべてがぴたりと決まった」このたびの公演です。どうぞお楽しみに。

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